須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

万年東一と笑い地獄

 3時起床。曇り。やや涼し。
 うどんにて第一食。カフェ・オ・レ、紅茶、水を摂取しつつブログ散歩。
 パソコンに向かっている間にFAX1通あり。
 『この本をさがしています。誠に申し訳けありませんが、
  ありましたら、れんらくをほしいのです
  お願い致します(金額と買う方法) 
  1 関東喧嘩無頼   万年東一  S48年  徳間書店
  2 人斬り懺悔    万年東一  S48年  徳間書店
  3 無頼の歌(日本やくざ列伝)        武智鉄二  
  北海道◯◯市・・・・・  TEL . FAX ・・・・・ 日本太郎』
 ご丁寧に書名と著者名にはすべてふりがなが付されている。残念ながら弊店に在庫なくお役にはたてぬ。それにしても、聞き覚えのない万年東一(まんねんとういち)とは、そもいかなる作家なりや。また、その著作を熱心に探すお客さん、日本太郎氏とはいかなる人なりや。ああ、作家もお客もさまざまであることよの。「ありましたら、れんらく」と記してあるので連絡はしないが、大丈夫であろうか。「なめとんのか、われっ!」などと突然、お叱りの電話が来やしないか不安なのである、ちょっと。               
 <ラクテン>へ阿部昭後藤明生坂上弘、森内俊雄他の文庫本とG・ドレ挿絵本11点UP。
 深夜、入浴し、酒は飲まずに第二食をすませる。紅茶飲みつつ「okatakeの日記」を読んでいると、須雅屋のブログについて触れられている箇所を発見する。驚き、また鼻の穴が広がるのを感ず。よっしゃ、と鼻息も荒く、パソコンに向かって日記を書く。 
 朝の7時、昨日<ラクテン>へ出品したばかりの後藤明生「パンのみにあらず」角川文庫(昭49年)に注文あり。仕入れた時から読みたく思っていたので、掲載は見合わせるべきか否か、逡巡したのであるが、自分はそんな贅沢を言ってられる身分じゃないのだと思い切り、載っけたとたんにこれである。長年の探求書であったのだろうか。受注メールは夜にでも出すこととし、あわてて巻頭の短編「笑い地獄」を読み始める。すんませんね、お客さん。大事に扱いますから。あれ、中ほどの数頁、小シミがあるよ、気づいてなかったな。少し値引きしますから、メールもう少しお待ち下さいね。などど、言い訳しながら読み進め、水割り2杯を飲んで、10時就寝。気圧の谷の移動とかで朝方から風がある。