須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

日曜 蔵書整理1

 午前8時起床。うどん、ナットウ、冷水、トースト1、おさつデニッシュ1、牛乳、カフェオレ、紅茶。9時過ぎ出。地下鉄。

 10時前、O駅着。公衆電話から電話しようとしていた所を連絡しようとしていたSさんから声をかけられる。クルマで5分程のお宅へ。お茶を頂いた後、仕事の前に前掛けをすると「なるほどね」と云われる。今日はSさんの本を水曜のセリに出すための準備。まず玄関に積まれたカメラや『サライ』など雑誌類と単行本の山から縛り始める。『クラッシックカメラ』『ライカ通信』など、カメラ、写真雑誌というのは1800円とか2500円とか、定価の高いものであるのを知る。カメラ雑誌だけで250冊と120冊と二口になる。しかし、重いものだ、カメラ雑誌というのは。双葉社『クラシック・カメラシリーズ』揃いなどカメラ、写真の本を縛り始めたところで、正午過ぎとなり、ハヤシライスを御馳走になる。
 それにしても暖かい家である。熱過ぎるくらいである。玄関上がり口で作業始めてすぐにトレーナーは脱いだほどで、冬期になってからの室温12℃〜18℃の我が家とは大違いである(インコがいた時分はできるだけ18℃以上を保つべく努めていたのであるが)。加えて恐ろしく静かな住宅街である。この家屋自体の防音性も優れているのかもしれないが、外からは人の声もクルマの音もまったくと云っていいほど聞こえてこない。これも、外部からの各種の音響がふんだんに入って来る我が家とは正反対である。

 カメラ本の後は『サライ』200冊、『ナショナル・ジオグラフィック』75冊、『植物の世界』50冊、『週刊朝日百科 世界の文学』100冊、『小学館ウィークリー 日本の美をめぐる』全50冊、と縛り続ける。おそらく奥さんや娘さんたちが読んだものらしき文庫は25年〜15年前ぐらいの赤川次郎内田康夫などの推理小説や、三浦綾子田辺聖子遠藤周作井上靖など多く、セリ場で買い手がつくか疑問と見て、一旦取りかかったが二縛り作ったところで後回しとした決める。その時、♪チャンチャカチャカチャカチャンチャン、と居間のテレビで「笑点」が始まり、あ、ヤバイ、これではほんとんどお金にならないかもしれない、今日の手間賃も出なくなる、と焦る。雑多な単行本と岩波新書の山を括り、文庫除いた玄関分を終えたところで、6時過ぎとなっていた。次いで、地下(実際は1階)の書庫へ降り、安部公房全集全30冊揃いと臨川の佐藤春夫全集全38冊揃いを縛り終わったところで今日の作業終了。これで少なくとも全部で10万にはなるだろう。一応、7時15分までにしましょうと先ほど云われていたが、7時半となる。元来仕事は遅い方だが、後から自宅で出品封筒を書くために、書名や値段、状態などを持参ノートにメモしながらの荷造りなので、さらに時間がかかるのである。書庫の通路をカニの横歩きでなく普通に歩けるようになったわ、ありがとう。と感謝される。本日やり残した分は火曜9時から続けることに決定。よけておいた『サライ』の吉行淳之介特集を頂き、クルマで地下鉄駅まで送られる。疲労。地下鉄に座ると早速腰が痛み出した。ふと、7時15分という指定は入浴後、『坂の上の雲』をゆっくりビールなど飲みながら見るためではないかと推測。自分も当初の計画では6時ぐらい終えて帰宅し視聴するつもりであったのだが。南平岸Maxvalu>で月桂冠一合パック1ヶ、モヤシ、計128円調達。

 9時前帰宅。『坂の上の雲』後半三分の一のみ見る。10時半〜零時入浴。今日の気温0・6〜2・3℃。マグロとサーモン刺身、タラコ煮付け、茹で玉子、蒸しキャベツとモヤシ、ダイコン浅漬け、持参して持ち帰ったオニギリ一ケ、燗酒二合、ウィスキーお湯割一杯、玄米茶。疲れた、疲れた、と云いながらなかなか寝ないんだよね、この人は、と妻。午前4時半就寝。