午前９時前起床。トースト２枚、冷水、牛乳、紅茶にて第一食。昨夜のトンカツが充分に消化されていない感じあり。１０時前出。地下鉄で大通。１０時半頓宮神社着。お詣り済まして入館しようとすると、玄関前になちぐろ堂大西理事が、でん、と座っていた。多少涼しかろうと彼は半袖であるので精悍な感じを受ける。
３階受付で来月に決まった観楓会の案内貰う。参加できるように古本の仕事他を済ましておかなければと思う。さもなくば断念することになるだろう。２階会場、第一回開札分をざっと見る。荷物が少ないと昨夜聞いていたが、予想していたほどではなかった。会議机の上はずいぶん隙間あり、ゆったり並べられてはいるが、壁際には文芸書単行本の３、４０本（か５０本？）の縛りで作られた大山が４、５口出ており、いったい札が入るのかと人ごとながら危ぶむ。昨夜ご一緒したジライヤ村川さん、買いたいものがないようで手持ち無沙汰のご様子。カフカの研究書の二縛りに若干心動くも入札せず。東京・一新会大市の数日後の開催とあって、道外からの来場者はほとんどいないようだ。すぐに１１時となり第一回開札となる。ホームズの翻訳者でもある父上と今回は来場した根室のエミリオンさんがなかなか善戦。量が多すぎて札が入らないのではとみていた壁際の大山も全点落札されており、道外の某店の分は大きめダンボール５０箱にもなり、これは送料がスゴい値段になるぞ、との声が聞こえてくる。
３階に上がってぷらぷらしているうちに第一回発声が始まる。吉成君が第一回、続けて第二回分を自分が発声。１点のみ安札入れておいた正岡容と安藤鶴夫の７、８冊の縛りはやはり落ちず。正午から昼食タイムとなり、持参した妻制作のフリカケオニギリを会場備え付け無料PB茶にて食す。まだいつもの食欲が復活しないので２ヶ食べて１ヶは残す。弘南堂さんに声をかけられ話を聞く。昨年も聞いたがまた某書店を按じる内容。
第三回発声からは、新しい発声係として鍛えるという市英堂さんの意向により、吉成君が最終発声まで続けて担当することに。開札間際になってから気がついたのだが、第四回の台に、いづれも昭和初期発行の現代ユウモア全集、博文館世界探偵小説全集、平凡社版乱歩全集不揃い？、状態は函が痛んでいたりでイマイチだが、乱歩『蠢く触手』、夢野久作『暗黒公使』、横溝正史『呪いの塔』、大下宇陀兒『奇蹟の扉』、水谷準『獣人の獄』などが数十冊ドーンと載っており、ちと驚かされる。誰が出したのモノなのか、目録外の出品である。今回の文学モノの本としては一番イイのではないか、と自分としては思う。札は７、８枚入ってはいたがたいして競合もせず、ただ一人マトモな数字を書いていた◯◯さんが落札。他に松岡譲、久米正雄、生田長江の大正期のちょっと珍しげな本も載っており、やはりちゃんと見なければダメだな、とやや反省。もっとも昨日、下見をしていても自分が買えた訳ではまったくないが。２時半最終開札。第四回まではボーは少ないとはいえ、十万を越える発声少なく、市の成否は如何と危ぶむ声もあったが、最終台の「フランク・ホレー所蔵 松浦武四郎日誌コレクション」１６冊がイイ値段で落札され、拍手で終了。木戸孝允の書簡も載っていたがこれは人気がないようだった。
１５分ほど休憩して後片付け。地方荷の検品、箱詰め、市内荷の検品、箱詰めと皆で作業。某さんから、「ネット売りは〈日本の古本屋〉？オレもそうするわ、目録書くのもう疲れてきた」と話しかけられるが、どんなもんかな、数年前の豊だった時代に環境整えて始めればよかったのにな、とやや心配になる。思えば自分は、６年前にPCをくれる人が現れ、今年夏には毀れてしまって往生したが、また別なPCを融通して恵んでくれる人があり、実に幸運なことであった。かような人たちがいなければすでに何処かで野垂れ死に、白骨化していたかもしれないのである。トイレでは、一新会での井伏鱒二全集新版の落札値のあまりの安さにショックを受けたと云う◯◯君から、「ますますわからなくなりました。市場に出る度に気持が暗くなりますよ」と苦笑しながらではあるが、根の深い嘆きを聞く。６時、目処付いたところで作業終了。出品が少なく市会も早く終わったので、片付けも迅速に終わり、明日は理事と事業部員以外は来なくてもいいことになり、真にケッコウ、一同安堵の上、解散となる。
雨が降り出したが、萌黄さんにクルマで送られる。一旦西１１丁目のお店に寄り、PB茶とバーヤリース・ジュースを十数本貰う。有り難い。南平岸〈Maxvalu〉でモヤシ、トイレペーパーを３８６円を確保、老朽アパート前まで送られ、帰りの地下鉄代金も浮き、ほんと助かる。
本日の気温、１１・６〜１６・７℃。トースト２、マヨ、バーヤリース・オレンジジュース、冷水にて第三食。１１時から零時半入浴。午前１時半就寝。
