須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

火曜 青と赤

 正午起床。貰い物缶コーヒー、冷水。12時現在、晴、25・0℃(最低13・7、最高26・6)、湿度44%。2時、うどん、ナットウ、冷水、豆パン、紅茶。1時、長谷川きよしゲストの「スタジオパーク」をラジオで。たしか『卒業』というLPは中学生時代持っていた筈。

  東海地方の◯◯◯◯◯さんから入金あり。一週間ほど前に葉書で『世界青春詩集』2000円を注文して来た人。郷土史などの出版の傍ら古本の商いもやっていると自己紹介が書かれていた。全古書連名簿で調べると組合加入者ではないが10分ほどの逡巡の末、頑張っておられるようだし、書体から見て年配の人のようでもあるし、そう儲かっているとは思えないし、一割引200円をオマケして送料込み2090円請求書同封の後払いで送本した代金入金通知が本日送られて来たという訳なのだ。郵便振替受け渡し通知票を見ると120円が差し引かれて1970円の入金となっている。あれ?と違和感、ついで、はは〜ん、ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。この人、こちらが同梱した青色払い込み票(送金手数料を払い込み人負担)をわざわざご自分の用意した赤色払い込み票(送金手数料を口座加入者スガ負担)に書き換えて郵便局窓口に出しているのだ。ご自分の会社では代金回収に赤色使っているのでそれが当然と考えているのかもしれないが、でも、こちらが口座番号、金額記入して入れておいた振替票を捨ててまでとは……これって、これって……すっご〜い。さすがだぁ、シブイ、シブイですぜ、三河人は。注文葉書や振替用紙通信欄に齋藤磯雄執筆の雑誌や書簡類出たら連絡くれたしだの、早川孝太郎だかの古雑誌探索してるので入手したらご通知あれだの、パソコンないので古書目録あったらお送り下さいだの、とこちゃこちゃ書いてあるがすべて無視、誰が二度と付き合うかってんだ。齋藤磯雄が哭くぞ嘆くぞ、こんなセコイ人に好かれたら。しかし、こういうのって、目くそ鼻くそを笑うって云うのかしらん。

 明日のセリの荷物を集荷に出す。7冊の縛り。これだけ?と運送屋さんに云われる。梱包3。7時半〜10時仮眠。<セブンイレブン>でコピー160円、<Maxvalu>でモヤシ、ナットウ2、もめんとうふ、牛乳2、ダイコン、ネギ、キャベツ、マルちゃん玉うどん、水飴ジャム、計1085円。10時45分帰宅。

 なんだか最近、俄に世代交替の波が押し寄せてる、っつうか、周りに、働かなくも10年食えるぐらいの貯金あるとおっしゃる人とか、月商1千万ある(っていうことは月給3百万?)と豪語する若者などなど、余裕のある人、自信のある人、自分を大きく見せたがる輩、いろいろなニュータイプの古本屋さんが増えて来て、その人たちは、取り分け古本、古本屋好きという訳でもなくて、なんで古本屋始めたのか不明で(商売なんだからビジネス専心はけっこうだし、セリ場で肉体労働厭わずやってくれてる新人なら大いに有り難いのであるが)、もともと古書組合内古本界の辺境にいた自分などさらに端へ端へと追いやられ、崖の尖端に追いつめられてゆく感じで、いずれ落下するであろうが、落ちればその下には何が待っているのか、それは自明の理っつう奴で……

 シャワー。ブリ刺身、焼きイカとモヤシのサラダ、玉子焼き、ワカメのメカブ和え、ゴボウかき揚げ、ダイコンおろし、燗酒二合半、玄米茶。書見。午前5時就寝。