須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

もう駄目だというように......

  午後9時半起床。21時現在、晴、−2・0℃、南南東の風2m/s、湿度60%。明日朝−7℃とか。虫がまた鳴いている。今日はか細く響く鈴のような音だ。「虫が鳴いている/もう駄目だというように鳴いている」とかいうフレーズが誰かの詩にあったのを思い出す。

 「その時歴史が動いた/シリーズ真珠湾への道後編 ・山本五十六運命の作戦決行」途中から聴く。10時、妻から定時連絡。受注二件、<楽天横溝正史「青蜥蜴」、<日本>「金子みすずへの旅」。

 薫風からメール受信あり。◯◯さんを囲んでの(というか一月ほど前にご本人からお誘いのFAXが来ていたのだが)明後日の飲み会の連絡。「◯◯さん9日来札。からおけないとでしゅ〜(今3千円しかないのでどうなるのだろう)」。なんか自棄になってるのが伝わって来る。自分も負けじと返信応酬。「了解しやした。僕も3千円しかない。12日、日本の古本屋の支払いだ。ああ。飲み会、金がない時はまるで苦行みたいだね。こちらが貧困過ぎるのが悪いんだけどさ」。で、再び、ああ、と溜め息が漏れる。困った。まったく困った。ほとほと弱っちまった。しかし、なんだよ、中年も半ばを過ぎた男たちの会話とは到底思えないのだよ。ああ、こんな人生を夢見ていたのか。

 郵便取りにゆくと、H新聞からアンケートや執筆要項等が入った大型封筒が届いていた。「薄謝ですが」として金額が記されている。自分が漠然と予想していた数字の数倍なので、おおっ!と嬉しい驚き。ふぅむ。あの欄でさえ、こんなに支払われていたとはなあ。何でも足を踏み入れてみないと分からんもんだ、世の中は。そうだ!いい手がある。向こう一年分まとめて一括払いで貰うというのはどうだろう。思い切って頼んでみようか、と、しばしの間真剣に思案。だがあちらとしても、この人物途中でくたばるやも知れぬし、あるいは行方不明になる恐れなきにしもあらずと踏んでいるだろうから、やはりそれは無理というものであろう。ここは足掻くだけ無駄というもんである。

 12時、うどん、トリ肉マヨ和え、ナットー、トースト二枚、ミニ白あんパンニヶ、番茶、冷水。終わって注文本を探す。1時間を要す。次いで昨日の投稿仲間へ返信メール。自分の悪い癖が出て、長々と余計なこと共を書いて手間取る。8時から日記付け。カフェ・オ・レなど時々飲みながら。9時台、先日、井伏鱒二や『鳩よ!』を買ってくれたお客さんからメール。お送りした拙作コピーの感想と取り置き本の代金を今日振り込んでくれるというもの。ありがたし。早速梱包して発送す。終わってトースト二枚、番茶、コーヒー、また日記。午後4時半就寝。アルコールは摂取せず。今飲むと頭がほんとに馬鹿になりそうだから。