須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

末法の世

 10時15分、電話で起こされる。先週金曜、アプダイクの注文をもらった横浜の老人。本の催促。入金確認した火曜日に送本したので今日あたり着く筈なのだが、他に用事がないため、全神経が一日中注文本待つことに向けられているのだろう。それだけ愉しみにしているという訳で、本屋としては有り難く思わなければならないのだろうが。

 ぶるっ。と、寒い。おそらく軽度の二日酔いのためだ。1枚多く着込み、靴下もはく。

 アップル・ジュース、冷水を飲み、メールチェック。某からメール。◎◎書店の支店が札幌駅近辺から撤退の由。昨夜聞いた話ではSタイムスが日刊から週刊になるという。世の中動いている。だがやはり、自分の周辺ではあまり景気のいい話は聞かれない。

 そういえば、昨日ある人から、本人が語ったという某古本屋の過去の経歴を聞いて唖然としたのを思い出した。驚くべきことに、サラリーマンの他に、蟹の密漁とか、捕まえたキタキツネの子供を将来立派なアイヌ犬になりまっせ、と偽って何処かへ納入したり、ツルを捕まえてその筋の業者だかマニアに売りさばいたり、とかの怪しいお仕事に携わっていたというのだ。怪しいというよりも、これ全部、立派な犯罪じゃないか。しかも、笑って聞き流せる軽度なもんじゃないぞ、絶対。肉を食うのは決して嫌いではない自分であるが、何の必然性もないのに動物を虐待したり、邪険に扱ったりするのは許せない。蟹の密猟など、本業の漁師の方々に被害をもたらすばかりでなく、これを重要な収入源としている北海道の八九三の方々にも大迷惑な所業じゃないか。これだったら、そこいらの郊外に自生している植物の葉っぱを採って来て、特殊タバコを作り、自室でトリップしてる奴の方が、なんぼか平和で好感持てるか分からんわい。こんな人間がビズネスをやりたいと称して古本業界に入ってくるんだからな。しかもちゃっかり儲けていやがるんだからな。すでにもう、本好きが古本屋になって生きて行ける業界ではないのか。ああ、世の中、闇だ。世も末だ。末法の世だ。地獄へ落ちろ!

 12時現在、曇り、17・6℃、南東の風5m/s、湿度76%。12時半、犬ビスケットと紅茶で第一食(?)。昨日書きかけの日記の続きを書く。
 夕方、恒例の女友達とのデートに行く妻にクロネコ・ヤマト8月分880円の支払い頼む。牛乳、紅茶、冷水を時々摂り、固形物は食わず。

<日本の古本屋>A本屋委託分にM. スパーク「運転席」の注文あり。小笠原君、昨日知り合った<寿郎社>の柴山君からメール。

 10時45分、妻帰宅。『抒情文芸』を街で立読みしてきた由。「あなたの詩にしてはまともだったわ、内容に関しては云いたいこともあるけどさ」だそうだ。

 12時第二食。鰻蒲焼き、揚げ出し豆腐、蕗の佃煮、米飯、ミソ汁、番茶、アイスモナカ三分の一。入浴。4時、日記をUP。ネット徘徊しながら、昨日輸入してきた焼酎を水割りで飲む。午前9時半就寝。