須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

水曜 7月交換会

 午前7時半起床。うどん、ナットウ、冷水、レーズンパン1、牛乳、カフェオレ。8時半出。南平岸駅までマラソン。地下鉄で大通。9時頓宮神社着。

 本日、札幌古書組合月例交換会。アグリアジャパンさん他により会場設営済み、伊藤通商トラックから降ろした荷物も2階会場にすでに上がっていた。がら〜んとして荷物少なし。8月は毎年出ないのだが、その一ヶ月前に早くも枯渇したかと見ていたら、追ってケルンさんと弘南堂さんが持ち込んだ計十数箱で恰好がつく。他組合では、小樽夢さん、中標津北広堂さん、釧路エミリオンさんが来会。先月分金券13520円支払う。10月の特選市日程が事業部担当理事から発表さる。

 11時から第1回開札。気になったものとしてはドストエフスキー研究書他ロシア文学関係がの山が三口。ロシア文学全集と組まれた一番内容が薄いのは出来ていたが、あと二口は売買ならず、余りの安札に出品者の買い引きとなっていた。他には雑誌『犯罪科学』9冊。昔、函館で仕入れて目録に載っけたら人気だったウォーレス・田中早苗訳『黄水仙事件』はこれに連載されていた小説なのを知る。最終台に春日井健、山中智恵子、ほかの湯川書房本三冊プラス稲垣足穂掲載『南北』など雑誌数冊の口があり、私の記憶が正しければ、この10年(?)で10回近く(?)出品されてボーになっていた筈なのだが、これがまた出て、またしてもボーになっていた。最終台の絵葉書小箱一箱が人気あり、いい値段になっていた。珍しいモノが入っていたらしい。困窮するフョードル・アキマサヴィッチ・スガチャンスキ−は当初の予定通り何も入札せず。11時半第三回終了。

 一昨年からだったか、長距離バスで通ってきている(なかなか出来ないことだ)釧路の新進エミリオンさん、売買では見学中心でずっと大人しくされていたのだが、古本商売に目覚めたのか、セリ場に場慣れしてきたのか、4月には幻想文学関係のカタマリ、今回はまた単行本いろいろを大量に落札。
 新規加入の古本カフェ・アダノンキさん、セリ参加二回目で、改め札を投じてより合理的な値段で買うテクニック(?)をすでにマスターしている。恐るべし。ビールはいくらです?とインタビューしてみると、330mlの地ビールが二種類あり、各600円と700円の由だ。余裕ができたら覗いてみよう。100円のスナックおつまみは魅力的。おつまみ単品の注文はダメであろうと推測されるが、どうも田舎者でしてね、都会のシステムわかんなかったんです〜、とトボケてカンビールをクーラーボックス入れて持ち込み、おつまみだけ頼むという貧困な、余りに貧困なアイディアが浮かんだが、これは実行するとさすがに怒られるだろうし、こんな営業妨害まがいをやらかす貧乏でセコい野郎が古本屋の先輩というものなの?、古本屋ってこういう人種なの?とゲンナリされ、古本組合の人間皆に悪いイメージを持たれる原因を作り、果ては組合追放の憂き目に遭いかねないので、やはりやめておこうと思う。http://adanonki.exblog.jp/

 先月と今月のセリで著しき躍進を示せしは吉成君なり。近頃、その研鑽と勉強ぶりは目覚ましきものなり。優れた古本屋に必須のカンと度胸も備えている。自分はそう遠くない未来における書肆吉成時代の到来、吉成王朝の隆盛を予感させられたのである。2008年6月、7月はその輝かしき幕開けであった、といつか札幌古書籍商ウラ組合史(執筆者スガ)に記されることになりそうだ。俺たちの時代はとうとう来る気配もないうちに終わってしまったなあ、寂しいなあ、虚しいなあ、哀しいなあ、と薫風書林と涙、抱き合って慰め合う。

 伊藤書房の野幌店店長伊藤ヤスノリさん、「暗黒世界」のファンの由。いやあ、いい人だな、と俄然評価上がる。12時半、清算、後片付け終了。恊治君のクルマで送られる。札幌古本温泉倶楽部の結成を提案し賛同を得る。

 1時半帰宅。12時現在、曇り、23・1℃(最低18・9、最高24・8)、湿度66%。受注1、山田順子『女弟子』。記憶によると十数年前に目録で注文くれた女性。梱包2。午後9時半、うどん、ナットウ、冷水、トースト1、レーズンパン1、カフェオレ。14歳、山口県中二男子が東名高速道路でバスジャック、ケガ人なく解決。「親に怒られて嫌がらせのためにやった。世間を騒がせたかった。親の人生をめちゃめちゃにしたかった」などと供述の由。

 11半入浴1時間半。豚肩ロースとネギ焼き、蒸しジャガ薯、舞茸とブナピー炒め、メカブとモヤシ和え、日本酒白鹿三合、玄米茶。今日は作業できず。午前4時就寝。