須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

月曜 短かい金曜日

 午前8時半目覚め。シンガー読む。また30分ばかりうとうと。10時起床。9時現在、晴(と「さっぽろお天気ネット」では流しているが豊平区のあたりは曇りである)、17・8℃、湿度73%、最高気温21℃。トースト2、牛乳、紅茶、冷水。12時現在、雨、18・1℃、湿度75%、最高気温21℃の予報。
 6時、これ以上遅らすとお客から文句が来るかもしれないので、『短かい金曜日』半分近くまで読んだところで梱包発送。『ばかものギンペル』『クラコフからやって来た紳士』『老人』『血』『ただひとり』の五篇。強烈。圧倒された。いわゆるウマイ短篇という書き方ではない。そんなことは端から作者は狙っていない。誰にも似ていないと云ってもいいのではないか。と言い切れるほどには、じぇんじぇん読んではいないのだけれど、これはスゴイ作家なり。あらためて、ユダヤ人というのは(ユダヤ人にもさまざまいるだろうけれど)、不可解、神話を生きてる不思議な民族、とも思う。「血」までの四篇は他の(例えば日本の今の)作家なら中篇にしそうな話を短篇に凝縮している。つまり、夫馬基彦さんによれば「いったいこんな話をよく思いつくなというほどのことを、それこそ血とすじ肉と脂肪の塊とニンニクと人参とタマネギとで何昼夜も煮詰めたような仕立て具合なのである。コンクにして脂ぎり、しかし終始ユダヤ教の戒律と神秘感覚と、そしてここが肝心なのだが実に堅固にして地道な生活者感覚が全体を覆って、ゆえにいかに奇想天外驚天動地の内容が語られているにもかかわらず、作品にはいつも落着いた気配が漂い続けるのである。<夫馬基彦「畏敬すべき短編小説の指標―アイザック・B・シンガー(邦高忠二訳) 『短かい金曜日』(晶文社)」より引用 http://www.jj.e-mansion.com/~fuma/essay.htm>という小説なのだ、作家なのだ。また何処ぞで手に入れよう、商売用じゃなしに自家用として。そう云えば、以前にも商売用としては他の本も何冊か(「奴隷」とか「羽の冠」とか)扱っていたのを思い出した。昔はよかったなあ。
 7時、カップ麺、米飯半膳、ナットウ、冷水、トースト1、ミニあんパン1、チョコ、紅茶。おフランスでの柔道ワールドカップ見る。野村不調。男子は5位、女子は銅メダル。日本ハム楽天を破りついに首位に。ふぉほほ。9時、台風に備えて第二書庫の窓を閉める。
 11時半、入浴。1時半、鶏モモ塩焼き、カキフライ、酒一合。3時就寝。いよいよ明日は台風が来るようだ。