須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

金曜 いつかはと思いつつ・・・

 8時半目覚め、9時半起床。このところどうも睡眠がうまくいかぬ。朝方の4時、5時に寝ても風呂敷カーテンの隙間から射す朝日で目が覚める。ということは夜に早く寝るしかないのだな。9時現在、くもり、22・1℃、湿度70%、最高気温24℃の予報。トースト2、お焼き1、トマト2、牛乳、冷紅茶、水。隣の幼児が踊り場に出て自宅ドアのノブを捻って遊ぶのを覚え、ウチのドアもガチャガチャいわせている。日を追うに従って成長、行動範囲広まり、叫びや泣き声だけでなく、攻撃が直になりつつある。12時現在、晴、23・2℃、湿度61%、最高気温24℃の予報。
 季刊『札幌人』発行元札幌グラフコミュニケーションズの最初の単行本「英語による札幌ガイドブック」(1300円+税)が発売の由。また同社編集の「さっぽろ路地裏ウォーキングマップ」(市電一日乗車券付き500円・税込)が市内の大きな13のホテルで売られる由。
 4時から6時、仮眠。
 6時20分家を出。6時40分ススキノ着。一度、店の場所を確かめに行ってから、待ち合せの<東急イン>へ。薫風父娘すでに来ている。スレンダーになり、すっかり奇麗になったモモちゃんに驚く。続いてじゃんくさんがお子さんのモエちゃん、カイ君、を連れて。20歳になったモエちゃんの成長ぶりと美貌にまた驚く。知人の娘さんが皆美人に見える。ああ、若いって素晴らしい!ほどなく唐沢俊一氏登場。自分が上げた手に右手を上げ返して「どうもどうも」と云いながら歩いて来るその姿。ぱあー、と辺りが明るくなった感じあり。翻訳すると「わしゃあ仕事しとるもんねえ」といったエネルギーと気合いが躯から出ている。よく云われるオーラという奴か。仕事が充実している人に会うのは、なるほど気持がよい。唐沢ファンの歯科医さんとその現役助手の女性と元助手の女性の三人組も来る。唐沢さんのマネージャー夫婦も来る。少し遅れる唐沢景子さんとY(妻)をじゃんくさん一家とモモちゃんに任せて先に宴会場へ。
 7時<魚御殿MSARU店>。5分ほどして景子さんとYも到着。総勢14名。新しい同人誌UAブックス頂く。お中元代わりにと云われて◯◯も頂く。有り難し。自分等夫婦は鰻の寝床的長方形の個室で景子さん、モモちゃん、と同席(テーブル三つを使用しての宴会)。勉強中の会計学の話。哲学者ではショーペンハウエルがお好きだという話。それからまた意外な話もあり、ちと驚く。「私より幸せな奴はみんなユルセナイわ」と相変わらずのソルボンヌ節炸裂。
 プラチナカードだかゴールドカードだかをたくさんお持ちだと云う歯医者氏が六本木で髪をカットするためだけに東京を往復していると聞いて、え!この頭がですか?と薫風書林。皆内心同感であったようで思わず一斉に吹き出す。じゃんく一家の姉弟は9時でさようなら。自分等から一番遠い席にいた唐沢氏、途中、移動してわざわざ話に来てくれる。功なり名を遂げても変わらぬ気遣いが嬉しい。また常に情報収集のアンテナを立ててもいるのだろう。昼間の母校での講演の話など。恩師や小学時代のクラスメートも駆けつけてくれ、楽しかったらしい。
 この手の大型店にしてはどれもなかなかの味。刺身が自慢の店なのに刺身を食っていなかったことに気づく。何時になるか知らぬが次回の愉しみとしよう。我々貧乏古本屋連中(と一緒くたにするのは文句が出るかもしれぬが)の分は景子さんが出してくれる。口は悪いがやることは反対なのである。ただただ有り難し。いつの日かお返しをしようと思いつつ20年近くが経ってしまった。
 10時半、石川書店隣りの胡麻蕎麦<まる山>へ移動、二階の小上がり占拠して二次会。自分は漬物、枝豆、もり蕎麦、焼酎の蕎麦湯割り。六本木ヘアー歯医者さんの友人で一次会の終盤で合流した江別の矯正歯医者さんが隣席。何の脈絡もなく「柳美里なんて最近どうなんでしょうね?」と景子さんに話かける。話が今イチ噛み合ない。が、その歯医者さんが全員の勘定を持ってくれ、一座からやんやの拍手喝采を浴びる。ああ、かようなマネを自分も死ぬまでに一度はやってみたいもの、と思う。
 11時半散会。地下鉄最終で薫風父娘、須雅屋夫婦で南平岸へ。<Maxvalu>でギネス味の発泡酒500MLと焼酎200MLを買う。モモちゃんとYは父と夫を残してそれぞれ帰途に(当り前であるが)。薫風書林と公園の椅子に座って飲む。30代の頃にはしょっちゅう、こういう宴会をやったものであるが、20年たってもまだやろうとは・・・。
 1時帰宅。ウィスキー水割り。シャワーも浴びず2時半就寝。8月から今日まで外で飲む機会が度々あったが、これでしばらくはない。