須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

愛と哀しみの古本屋

 午前9時前起床。9時現在、晴、−7・5℃、南東の風3m/s、湿度78%。まだ腰は少し痛む。年明け、5日、6日とA本屋さんの手伝いで腰を使う仕事をしなければいけないので、前日までには完治したいものである。

  うどん、ナットー、バナナ、冷蔵庫にあったよく正体のわからぬケーキ、カフェ・オ・レ、紅茶、冷水。

 <楽天>から受注一件。M.スパーク「マンデルバウム・ゲイト」。R平岸さんの代理で一件お客さんにメール出す。

 3時、現在失業者の小笠原君から電話。今、『札幌人』事務所で飲んでいるから来ませんか、のお誘い。5時ぐらいで終了予定の由であり、また、かすかにやることもあるので、遠慮。H新聞のKさんから電話。コラム、冒頭6行カットの他、数ヶ所チェック入り、タイトルもありきたりのモノ(生意気云ってスミマセン)に変えられる。その性格上、多くの人に分かり易くしなければいけない場所なのだから致し方なし。題名は妻と二人、何十も考えたウチのひとつであっただけに残念ではあるが(例えば「愛と哀しみの古本屋」とか「さまよえる古本屋」とか、ほとんどがフザケタものだが)、まあ、タイトルだけはストックができたということで無駄では無かったと思おう。

 4時前、郵便局。振替口座から19640円(須雅屋口座11880円、妻口座7760円)をおろし、<Maxvalu>で買物。米ホシノユメ5kg1590円、醤油1リットル128円、ティッシュ298円、計2016円。<セブンイレブン>で葉書40枚コピーして後、5時過ぎ一旦帰宅。また出て<セイコーマート>へ出向き、今月初めにお客さんから戴いたビール券でビール4本調達、GSで年末年始の営業時間を確かめて戻る。これは灯油の補充が利かずに凍死するのを避けるためなり。

 トースト二枚食して、8時前から入浴。9時15分から寝室で下半身を炬燵に入っているが如くに布団に包み、焼酎水割りをちびちびやりつつ、TV「名探偵赤富士鷹・ABC殺人事件」を見る。クリスティの原作を昭和戦前の日本を舞台に翻案ドラマ化したもの。ポワロ役は伊東四朗。古本屋が探偵というのが流行っているのだろうか、伊東は本郷の古書店主という設定。ポワロとの最も顕著な差は、キザでもなく、自信過剰な言動もないところとミス・レモン役はいない点。ただし、原作のベルギー人ポワロが「マドゥモアゼル」「モナーミ」などとやたら使いたがるフランス語を、赤富士探偵は用いない代わりに、ヘイスティングス役の親友の遺児(パリから来て<赤富士古書店>に居候という設定)が度々振り回す。ABC殺人だのJONだのといった英字が見出しで昭和10年頃の新聞に掲載されて、当時ほとんどが小学校卒までの学歴しかなっかた筈の一般大衆がすんなり理解できる程、果たしてアルファベットが全国民的に親しまれていたのかという疑問があるが、探偵物としてはけっこう楽しめた。そのまま本を少しばかり読んで、12時前就寝。妻はまだ帰らない。