須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

土曜 特選市陳列・下見と焼肉

 午前7時20分起床。6時現在、晴、12・2℃(最低12・0、最高18・9)、湿度95%。うどん、ナットウ、冷水、トースト2、牛乳、紅茶。ぐずぐずしているうちに8時30分過ぎ出となる。地下鉄で大通。

 就寝前は、昨日積んだ自分出品の荷物があるので9時10分前着を目指すぞと誓っていたのだが、9時10分頓宮神社着。ちょうど運送屋さんのトラックから須雅屋、亜本屋さんの荷物とも降ろされ、2階に上げられているところに、「あら、終わっちゃた?」と顔を出す自分。すでに理事、事業部員、手伝いの皆々さんはすでに全員集合。3階会計室で臨戦体勢に入るべくエプロン付けているところに◯◯氏現れ、オレだってもう来てるんだよ、と遅刻を注意される。最後に、なあんちゃって、と付け加えていたが前半の冗談とも思えぬ口調に、あんなに毎回セリの度に荷物を降ろしてあげているのになあ、とついこちらも思ってしまう。

 2階会場に運び込まれて、あちらこちらにゴチャゴチャに分散している須雅屋出品某家本を、薫風書林佐々木氏に手伝って貰いながら検品し、陳列してゆく。90点近くあり、けっこう時間かかる。2階は須雅屋、亜本屋、弘南堂の三店出品でほぼ埋まりそうだ。旭川村田父子に挨拶。正午半、配給おにぎり2と唐揚げ、PBお茶。オカズは唐揚げと玉子焼きと二種あったが、一人どちらか一品のみというのがサミシかった。午後からまた検品と陳列続き。ダンボール二箱に入れていた品と色紙類を3階に並べて終了。残っていた他店分手伝う。

 下見開始時間の1時間前、3時前にはほぼ会場設営終り入札可となる。数字メモしつつ、出品した某家分全部の封筒に止め札代わりの札を入れてゆく。4時からは道内他組合や本州からのお客さんが来場。今回の市は漢詩の和本が大量出品されており、本州の専門店さんが何人か熱心に見ている。元来は近代文学が専門だった旧知の某書店の顔もある。気のせいか、なんか顔を見る度に人相が悪くなってゆくようだ。長身、短髪、眼鏡の風貌もあってか、カタギには見えない。まあ、シノギがキツくなってきつつあるということか。

 某家出品分のうちの、色紙類を初めてちゃんと見る。丹念に見ても道内の俳人の名前など、そう識別できるものではないが、天野宗軒、斎藤玄が入っているのを発見。斎藤玄の色紙は、十数年前に自家目録で1万8千円だかを付けて掲載し売れ残ったものを、五番館デパート古書展に1万5千円で出品して売れた物とまったく同じ絵と句。ほうほう、うんうん、と色紙眺めながら頷いていたが、高見順の色紙が出て来たのには、あらららと驚き、さすがにこれは別に一品として新たに封筒を書いて出品することに。

 6時、下見終了。余裕があれば某書店に夕食をご馳走したいところだが、すまん、相変わらずカネがないのだ、と心で詫びて遁走。じゃんくさんに招待されて神戸まーぶる書房さんの歓迎会に薫風書林と参加することに。途中、お子さん快君を拾い、東区の回転寿司<トリトン>へ。一時間待ちと云われ焼肉屋<徳寿>へ。まーぶる、薫風、スガは生ビール、じゃんく親子はウーロン茶?で乾杯。寿司でなくなったのはいささか残念だったが、数年ぶりに焼肉を食い、胃袋が喜びと驚きの声を上げているのが分かる。ビールジョッキもう1杯。話題は昨今の古本界の状勢について。初めて話すまーぶるさん、若いのに神戸で120坪の店舗経営、大阪、名古屋の市に週何度か通っており、商売には意欲的、でもフランクかつ謙虚な人柄で、自分を大きく見せようという性向もないようで好感持つ。神戸のスーパーや八百屋では現在、庶民用バナナは何処も売切れで、1本100円ぐらいの高級バナナでないと残ってないそうな。薫風は用事で一次会で抜けたが残りの四人でカラオケ屋の<キャッツアイ>へ。途中、かつて伊藤書房さんの元町店であったというテナント前を通る。ウィスキー水割り2杯。じゃんくさんの忌野清志郎、まーぶるさんの佐野元など聴き、クールファイヴ、バッドフィンガー、フリーなど解説付きで披露。ニ軒ともじゃんくさんに奢られる。
 まーぶるさんより神戸<トミーズ>のあん食(餡が流し込まれた食パン)を頂く。じゃんくさんより唐沢夫人景子さんから配給されたコシヒカリ5kg貰う。9時半、じゃんくさんの車に送られ(いたれり尽せり)帰宅。
 シャワー。睡魔。寝よう思っていたが、妻が刺身を買って来たというので飲む。イカとエビ刺身、目玉焼、揚げ玉、キャベツ浅漬け、燗酒一合半、玄米茶。疲労。午前2時就寝。