須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

日曜 特選市本番

 午前7時20分起床。6時現在、晴、11・2℃(最低10・3、最高17・4)、湿度58%。うどん、ナットウ、冷水、トースト1、昨夜貰ったあん食1、牛乳、紅茶。8時半出。地下鉄で薫風佐々木氏と遭遇、一緒に頓宮神社へ。

 9時ちょい過ぎ着。組合から一昨日昨日の労働手当8千円支給さる。有り難い。昨日入札した某家分のうち30点ほどにより安値を記した改め札を入れ直す。これは一晩経ってみると、全部自分に落ちては(あり得ないのは承知しているのだが)支払い的に窮するかもと怖じ気づいたためなり。昨日今日と自分が出品したこの某家分が気になり、うろうろするのみで、他店の出品はほとんど見ていない。毎度多数出品しながら、的確に他店の出品を見て回り、根気よく着実に入札してゆく◯◯堂◯◯氏はスゴイ。しかも自分のような特定分野のみでなくオールラウンド、疲れを知らぬかのようなその入札姿勢には頭が下がる。この数年は大市にしか姿を見せなくなったB堂さん父が須雅屋出品某家分の古レコード13本口一括を見ており、買ってね、高く入れてね、と心でお願い。

 正午半昼食。持参おにぎり2、リブロさんから分配された唐揚げ2、PBお茶。同じく唐揚げの配給にあずかった薫風書林佐々木氏は主食に昨日のあん食を丸かじり。何か自分はしみじみ人生というものが感じられてならなかった。

 1時から第1回開札、以後20分間隔で、どどどど、と開札してゆく。本来は発声係であるが自分も開札を手伝う。3階に上がってからはアダノンキさんとのコンビで。これはオレが買うんだもんね、と某家で自分用にセレクトして組んだ本の縛りのうち、2点持って行かれ、ちょっとガッカリ。1点は市内の◯◯さん、もう一点は青森の古本屋さんに文庫新書の山を。多寡を括って、この手の本はオレ以外は入札しないだろうと決めてかかり、ほどほどの上札にしかしなかったからこういう屯馬な結果になる。市内◯◯さんは1本口を4本口と勘違いされて1万からの三枚札を入れてたそうで、須雅屋もツイてなかったというか、イヤハヤなんともである。あの口には新興文學全集のドイツ篇だったかの2冊と令女日記を、もう一つのあの山には日野草城の小型本や俳句短歌の文庫多数、それに坂本直行のサイン入り小型本も潜ませてあったというのになあ。くそう。でも自業自得なのだ。

 終盤近く発声を頼まれ10分ほどマイク持つ。4時前最終台開札、最終発声で終了。お客さんは帰ったが、札幌組合員は続いて地方発送分整理、箱詰め。続けて、札幌組合員の落札品を各店置場に集める。黙々とケルン夫人がコーヒーカン、ペットボトル、紙ゴミを分別し片付けられている姿に感動。若者よ、こういう善意の無償の行為により札幌古書組合は成り立って来たのだよ。目処がついたところでちょうど6時、本日の作業終了となる。

 全体の出来高が発表されて一同拍手。ウチの某家委託品の出来高もまあまあの好結果。総額は自分が計算していた予想最低ラインの二十万上乗せ。売りっぱなしの品であることを知っていながら真剣に入札してくれた弘南堂さんに心で感謝。自分も今回の委託出品から13点、7万弱落札。止め札代わりに入札して落ちてしまったさほど欲しくない物も含まれているが、下見の日に分けて別口にした高見順色紙をほどほどで入手できたのは嬉しかったし、これだけはと狙っていた俳句関係4本口が買えたのだから良しとしよう。

 萌黄さんのクルマに同乗。南平岸Maxvalu>でナットウ、モヤシ、牛乳、ダイコン、玉うどん、酒温情2Lパック、トイレペーパー、計1746円調達。6時半過ぎ帰宅。紅茶。7時15分〜9時入浴。受注、「金子光晴詩集」文庫、「父帰る恩讐の彼方に」。受注本探索。断酒。冷水のみ飲んで食事も摂らず午後11時半就寝。