須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

土曜 大市準備

 目を覚ますとまだ6時前。眠ろうとするが、時間ばかり過ぎて結局7時半起床。うどん、ナットウ、冷水、トースト1、目玉焼き、バナナ、牛乳、紅茶。8時20分出。地下鉄で大通。

 9時、頓宮神社着。本日は札幌古書組合大市前日の準備陳列。伊藤通商さんのトラックはすでに姿なく、降ろされた荷物を、事業部員と理事が鉄車に積んでエレベーターで2階と3階に上げている最中。借りた大部屋に並んでいる会議用テーブルを移動して会場設営、次いでホールでダンボール箱から取り出した出品物を検品してから、陳列。自分は何も出品しておらず、主に2階で旭川BBB村田二代目の検品手伝い。しばらく顔を見ない旭川の古本屋さんたちの話を聞きながら、ガイモノの美術関係やモーツァルトのCD大全集など並べる。

 BBBさんは永山店を閉店し(自分が訪問しないうちに)、店員さんも一人だけにしたという。本を減らすのに、何日にも渡ってトラックやワゴン車で何十回もタテ場を往復した由。「拡張してゆく時はおカネあるし、ヒトもいるからいいですけど、縮小する時はその反対なので大変になりますね」という村田君の感想はスガ編古本屋金言集に加えたいと思った。一方、吉成君の移転、店舗オープンが話題になっていた。東区だと云う。それもじゃんくさんの近く。ハッキリ云ってしまうと古書組合員に限れば東区で大成功した古本屋はいないのだが、仄聞したところ賃貸の条件は悪くないし、人脈がスンゴく豊富だし、それに何と云っても本人が古本にも、商売にもセンスのある男なので大丈夫だろう。彼が東区成功者第1号になる可能性大だ。なあんて、自分の商売心配した方がいいのに、他店を批評できる身分ではないのも忘れて、ああだ、こうだと、述べてみたくなるのが人間の哀しい性なのだろうか(東区の組合員の憎しみをかうかもしれんなあ、と新しくできたマップで調べてみたら、東区既存はじゃんくさんだけだし、今は通販専門なのだから、たぶん殺されはしないだろう)。

 正午過ぎ、神社の向いの焼肉屋さんに頼んであった弁当で昼食。個人的には本日のメインイベント。鶏塩焼き大盛り弁当と、牛カルビ大盛り弁当を薫風書林と半分ずつ分け合い、それにリブロさんから廻ってきた唐揚げも頂く。

 午後は、明日の落札品が泣き別れしないように、出品された本を結わえているヒモに荷札付け。3時から下見となる。出品は極めて少ない。壁際にはほとんど並ばず、机の上も例年になく実にゆったりとしており、量は昨年の半分以下、もしかすると三分の一ぐらいかもしれない。最終台に寺山修司吉岡実の初期著作(『われに五月を』や『液体』『昏睡季節』はもちろんなし)、春鳥会版古賀春江画集、内村鑑三書簡、松浦武四郎『東西蝦夷山川取調絵図』など並んで大市らしくなる。寺山の『地獄篇』から蝋燭や火縄を取り出して遊ぶ。2時半ぐらいでほとんど仕事終了。大きな声では云えないが、明日の片付けもラクそうでこれもまた良からん。5時半、下見終了。古書店マップ改訂版貰う。青森や、根室の古本屋さんとの宴会に出なければならない薫風氏と別れて、リブロさんと地下鉄で帰る。
 南平岸Maxvalu>で、うどん、マッチ、トイレペーパー、便座カバー、札幌市指定ゴミ袋、計903円調達。7時帰宅。受注、辺見じゅんインタビュー/井伏鱒二ほか『初めて語ること 賢師歴談』。本日の気温、15・8〜22・4℃。零時半〜2時、入浴。刺身(マグロ、サンマ、サバ、イカ)、イカ焼き、エビだしみそ汁、燗酒一合、玄米茶。眠たかった筈なのにいつのまにか夜更かし。午前5時過ぎ就寝。