須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

土曜 古本市店番6、「芥川フィルム」

 午前8時半起床。9時現在、晴、22・5℃(最低20・0、最高23・8)、湿度54%。うどん、ナットウ、冷水、トースト1、アンパン1、牛乳、紅茶。

 10時過ぎ出。ドニチカ切符買って地下鉄で幌平橋。乗客が全部外人(ほとんどアングロサクソン系)の大型観光バスが通り過ぎて行く。脳天気っぽさからアメリカ人と観た。北海道文学館閲覧室で調べもの20分。中島公園駅から地下鉄でススキノ。11時半ラルズ着。

 10時から通し番のなちぐろ堂大西夫人と古本市店番。1時半〜2時半、社員食堂で昼食休憩。持参おにぎり2、番茶。大西夫人から、定山渓での観楓会や今年の新年会二次会でスガが歌ったのはなんていう曲なのですかとの質問あり、あれは元々洋曲だが日本では三十数年前にジャガーズがカバーしてヒットさせた『キサナドゥーの伝説』であると答える。脳天気に明るいところが好きなのであると言い添える。あ、そこいら辺はスガさんにぴったりフィットしてますね、と賛同の言葉を述べたりはしてくれなかったが、それはともかく彼女は和歌山の産であり、十分にティーンエィジャーで通用する外見であるがすでに20代ではないらしい。大西君は彼女をナビゲーターとせず、札幌から単身和歌山に赴き結婚申し込みの挨拶をしてきたというのだからスゴイ。自分にはとても出来ない勇気ある行動だと感銘を受ける。ついでに大西君が頭を下げたお父上はスガより6歳しか上でないことも判明。夫君を語るのに大西さんと呼ぶのもみずみずしく、なちぐろ堂の発展を祈りたくなる。

 5時半退出。三条ビル亜本屋さんへ寄りバイト代4千円頂く。椅子を借りて持参おにぎり1、持参冷水で第三食。ビルを出た路上で、こちらに歩いて来る鉢巻きハッピ姿の男たちの中に知ってる顔がいるなあ、と思ったら八光書房さんだった。ススキノ祭か、何処かの神社のお祭なのか。

 6時半から再び文学館。マリリアさんはご家族のご不幸のために帰国され、予定されていたお二人でのライブは中止。替わって『gozoCine』の新作、8月1日と3日に撮影した「芥川龍之介フィルムーKappa」「芥川龍之介フィルムーKappa Take2 appendix佃」の二本上映。今まで近代美術館や文学館で『gozoCine』が写される度に何人かこっくり、こっくりやる人を見てきたが、今日は自分がやってしまった。気づけば前の席の人も船を漕いでる。自分的にはいつにない早起きをして寝が足りないというのもあるが、フィルム中の吉増さんの語り、P・ツェランの朗読やジョン・ケージの音楽(これは何れも芥川フィルムでは使われていなかったと思うが)、延々と映される川面のゆらめきなど、見る人によっては何かすんなり眠りに誘われる要素が含まれているのではないか。おしまいに吉増さんの朗読二篇。新作「たゞ残る頭を低れて」と「「路上バンド」に逢った日に/神は、ドイツへ行ってしまった」。

 南平岸Maxvalu>でモヤシ、ダイコン、ブラックニッカCブレンド、白鹿カップ、計922円。9時帰宅。受注『トレント最後の事件』『フレンチ油田を掘りあてる』『悪夢の五日間』『カー短編集1』。シャワー。伊藤龍秀君からメール。セシル・テイラー73年来日ライブ盤のタイトル『アキサキラ』は沸騰という意味でよかったですかとの質問への返事。11時半から1時仮眠。涼。長袖を着込む。

 1時45分、本マグロすり身、バチマグロぶつ切り、小エビとソラ豆天ぷら、蒸しジャガ、キャベツ浅漬け、蒸しもやし with ダイコンおろし、燗酒2合、玄米茶。書見。柔道谷亮子は銅メダル。午前7時過ぎ就寝。