須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

火曜 畸人研究と忍耐の祭り

 11時起床。12時現在、くもり、2・0℃、最高気温3℃。。牛乳、カフェオレ、紅茶、冷水。発送4。
 1時5分前、紅茶を入れて客人を待つ。1時数分過ぎ、入口ドアから自分が顔を出して廊下を窺っていたところに、畸人研究学会主幹の今柊二さんが「あっ、こんにちわ」と来訪される。初対面でお互い名乗りあったわけでも、名前を確かめあった訳でもないのに、何故か互いに互いを認識。『畸人研究』栄光の20号記念号とお土産を貰う。出来た人なり。狭い居間に入ってもらい、粗茶を飲んでいただこうと支度していたのであるが、お急ぎの由で玄関先で取材を受けることに。「電気料金の集金人が押し掛けてるみたいで申し訳ありません」と立ったままおっしゃる今さんに、寒い中、座っていただくところもないので恐縮する。須雅屋参考資料一セットを差し上げ、高校時代の限定一部の肉筆回覧同人雑誌『たぬきと私」もお見せする。部屋着の一部と化しているボンボラッコマフラーをつけた姿のまま(自分としては恰好だけはマラルメ安西冬衛のつもりなのだが)何枚か写真を撮られる。本当は寝ているところを掲載したい由なのだが、横になれるスペースがキタナイ寝室にしかないのでご勘弁いただく。妻が今この瞬間も押入で寝ているのだからして。でも現実の自分の阿呆さ加減が露出したかなり珍妙な図が撮れたのではないかと想像する。ああ、恥ずかし。せっかく来たのだから何か一冊記念にと云って選んでくれる。じゃ500円です、と云うと、いや、相場千円はするでしょ、と千円札をくれる。有り難し。つくづく出来た人なり。自分が畸人の範疇に入るのどうかは自分では分からぬが(たとえ仲間に入れてもらっても栄誉にはならないと思うのであるが)、この取材、『夕刊フジ』の「畸人Gメン07」という今さん連載のコーナーで4月に記事になるらしい。実は、薫風書林は何も云わないが、なんと彼もすでに二月に同連載に登場していたらしいのだ。奇しくも「札幌古熊(ふるぐま)の会」のメンバー二人が(同時にそれは全会員でもあるのだが)畸人として同じ誌面を賑わす(穢す?)とは、快挙というべきか、奇遇というべきか、運命というべきか、面妖というべきか、世界の終りも近いと云うべきか。ああ、オモロ。

 4時半、2時間前から始まった走り廻り飛び跳ねる二階のガキ共のあまりのウルサさに、ついに堪りかね管理人室へ。この一年と十ヶ月、真上の御一家には二度こちらの窮状を訴えに行ったが暖簾に腕押し効果なし、でも管理人さんには迷惑かけたくないと思い苦情は云わないで耐えてきたのだ。ドアが開いて、顔を出した管理人さんに直訴。ボクハ、モウジキ、発狂シマス。すると、お宅の二階は今月末で出て行くから、それまで辛抱してくれろ、と。おお、これはなんという朗報か。気分スッキリ、視界ハッキリ、心ウキウキ、SAPPOR0ブギウギ。イェー!ま、管理人さんには今イチ自分の苦悩は伝わらなかったみたいだが、今日はいいとしよう。しかし、最後っ屁と云うか、飛ぶ鳥後を濁すと云うか、おやんなさい、騒ぎなさい、下のオヤジを困らしてやんなさい、ほれほれほれ、と母親がけしかけているんじゃなべいか、と思えるほどに今日はウルサイぞ。壊滅的にウルセイぞ!脳髄に響くぞ!が、ガマン、ガマン。次は小さなガキが構成員にいない一家が入ることを切願する。

 日記。入力。6時半、トースト3、紅茶。9時、レトルトカレーライス、冷水、ミニあんパン2、牛乳、カフェオレ。1時半、15点UP。2時半、サンマヌカ漬け焼、目玉焼、大根サラダ、燗酒二合。4時半就寝。