須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

金曜 静かな夏

 11時半起床。窓を開けて寝室がやや涼しくなったのと、二階が静かになったのとで、久方ぶりに快眠。静かな夏という感じ。12時現在、晴、27・9℃、湿度60%、最高気温29℃。トースト2、ミニあんパン2、牛乳、紅茶、水。ロンドンで旅客機爆破テロ未遂、21人を逮捕の報。

 「福永武彦日記 1冊 昭21.1.3〜6.9」が今日、東京の古書市場に出品されたようだ。当店の資力(という以前の話なのだ、現実は)からすると、完全無欠に無縁の商品なのであるが、ちと興奮。夫人の手によってほとんどのプライベートなメモ類や、創作ノートなどが灰になったと聞くこの作家の戦後すぐの日記の出現は文学的にも事件だし、商品的にも大珍品ではなかろうか。昭和21年、福永さんは28歳、<四月、再び帯広に至り帯広中学校英語教師となる。七月、加藤周一中村眞一郎と分担執筆の時評「CAMERA EYES」を「世代」に連載(十二月号まで)。八月、「塔」を「高原」第一輯に発表。冬、病気が再発する。>と源高根編の年譜(講談社文庫「夜の三部作」昭和52年第6刷)にはある。

 静かなる夏は終わった。3時あたりから、また二階のお子さんがばたばたやり出した。6時、食パン1、ミニあんパン1、紅茶。夜7時半、普段は鳴らない時間にチャイム鳴る。もしや、と思って出てみると、果たして二階の旦那が菓子折りを持って謝りに来たのであった。三十代前半。人相風体話し方からして、少なくともカタギの人ではあるようだ。自分が簀巻きにされて石狩湾に沈められることはないと思う。たぶん・・・。
 11時半、シャワー。1時、豚背ロース、エリン炒め、ゲソ天ぷらカマボコ、米飯、シジミみそ汁、六菓亭マルセーバターサンド(二階からのモノ)、冷紅茶。4時半就寝。断酒。