須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

いいお孫さんじゃないですか!

 正午過ぎ、探求書の依頼で起こされ、また寝る。お探しの本は群ようこ「一葉の口紅曙のリボン」と永畑道子という人の「凛 - 近代日本の女魁高場乱」。電話の向こうは老人。この方、先日も違う本の件でかけてきた。何故よりによってうちにかけてくるのだろうと疑問に思ったら、昨年の『札幌人』の古本屋特集で当店を知った由。それでは無下に断れない。しかし後で調べたら、この探求書二冊とも現在新刊で入手できる本ではないか。群本の方は新古書店の100円均一によく出ていると聞くし。

 午後4時半、ご注文の電話で起床。<日本の古本屋>で見たという東京の某老舗古書店から戸板康二の「団十郎切腹事件」の文庫本。若い人であったが、ご自分のお祖父様に頼まれたのだそうだ。お祖父さん!いいお孫さんじゃないですか!こういう時なんです、まだ古本屋に、いや日本に未来があると思えるのは。即梱包発送す。

 15時現在、雪(ちらちら)、−1・4℃。雑煮味噌仕立て丸餅4ヶ入り、ナットウ、冷水、あんパン一ヶ、紅茶にて第一食。

 9時、寝室でテレビ鑑賞。「NHKスペシャル 気候大異変(1)」。まるで近未来SF映画。地獄の未来へ続く壊滅への序曲は2006年現在、すでに始まっているのですね。人類が今のままの経済発展を遂げて行こうとすると、地球環境的にこれから明るい話はなーんにもないみたいなんですわ。しかし発展をやめられないのが人類ですからね〜。どう考えても終末に向かいつつあるようですな。いやあ〜、慄然としました。ホント怖いですね〜。ついでに「ブロードキャスター」も途中まで見てしまう。

 11時からエクセル入力。<楽天>から受注一件。桂千穂スクリプター - 女たちの映画史」。

 12時から2時入浴。レトルトカレー三種混合カレーライス、冷水にて第二食。ネットで武部疑惑を追って時間を浪費し、さて<楽天>へUPしようとするもメンテナンス中で不可。

 5時から日記。6時、寝床読書。小檜山博「一瞬の人生」読了。掌編小説集。「人の心の奥底にあるやさしさを拾い集めて書いた」(「あとがき」)物語集の由であるが、ところどころその「やさしさ」から逸脱した話があり、そちらの方が自分には興味深かった。雑誌『文科』22号(2002年夏)から吉村昭大河内昭爾「対談:作家の運命 吉村文学の今昔」と黒井千次短編「家族風呂」を読む。8時就寝。