須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

余は如何にしてワープロを買いし乎

 10時起床。7時半ぐらいから目は覚めていたが起き出せなかった。

 冷水、アップル・ジュース、牛乳、紅茶。

 昨夜の後悔じわじわと。やはり差し迫った問題であるところの冬靴を用意した方が有意義であったなぁ、と思えて来る。雪降りしきる中、長靴穿いて外出。郵便局へ。<日本の古本屋>の支払い一回パスさせてもらおうとATMで<ぱ・る・る>から全残額6千円をおろす。二回目の支払いにして、すでにこうだ。先が思いやられることよ。

 12時現在、雪、−3・9℃、西の風5m/s、湿度60%。ラジオを付けると虫が鳴き出し、インコもさえずり出す。不思議な空間。どんな奴か知らぬが、虫、だんだんと可愛くなってきた。繁殖されても困るけど。虫太郎と名付けることにする。

 <日本の古本屋>から配信される探求書メールに二点持っているのがあったので、在庫ありまっせのメール書く。途中、消えたりして1時間かかる。<日本の>から受注一件。「勝利への道 - ドイツ国民教育の実際」昭和17年 朝日新聞社。ハイル!ヒトラー

 トースト二枚、紅茶。7時から11時、睡眠。起きて後、先ほどの本を探す。寝室のダンボールの中。だいたいの見当はついていたが、ダンボールの上に積んである本を降ろして何箱か開けて探し、閉めてまた開け、また探しで、1時間を要す。

 次いでに行方不明であった『えびな書店古書目録 書架』5号の特集青山二郎全仕事が出て来た。時折気になっていたので得した気分。1989年12月に発行されたこのカタログの原版はキャノンのワードプロセッサー、キャノワードで作成されたものである。何故それを自分が断言できるかと云えばである、或る日のこと、当時北17条にあった須雅屋に一人のセールスマンが現れ、キャノンのワープロ・キャノワード4100を売りつけようとしたからなのである。というのは、「うーむ」と迷う前に自分は警戒さえしたのだけれど、東京から転勤して来たばかりというその若い営業マンは、「国分寺のえびな書店さんにもお買い上げいただきました。カタログを作られるそうです」と思いがけぬことを云い出し、そのセールストークに自分は、ほっ、あのえびなさんが、と、すっかりやられてしまい、購入を即決してしまったのである。その後、上京して石神井書林さんを訪ねると、やはりキャノワードを使って目録を作成していることが判り、いやぁ、古本アーチストの店はキャノンなんだ、はは、選んで良かったぁ、と意を強くしたのである。が、キャノワードを使ってどんどん目録を発行していった勤勉な人たちと違い、自分はちょっと触っただけで、こいつはオイラに合わねえと、風呂敷被せてうっちゃいておいた。その差がその後パソコン時代になり、拍車がかかってどんどん広がってゆき、現在の自分があると思うのだ。

 1時から2時半、入浴。ヒンズー60回。上がって、ナチス文献の人にメール。ホッケ煮付け、ホッケ飯鮨、カツオたたきで、カンビール一本、一ノ蔵一合、焼酎水割り一杯。ネット徘徊。かみいとうほさんからメール。6時半就寝。