須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

水曜 交換会

 頓宮神社で札幌古書組合セリ。会場入るなり「どうなりましたあ?」と◯◯◯◯さんから訊かれる。もう『彷書月刊』が出ているのだから知られているのだろうと思っていたが違うようなので結果を報告。「おめでとうございます」と皆さんに声をかけられ面映し。十年の長きにわたり埋まっていた沼底の泥、芥の中からやや浮き上がりかけたか、といった感覚。亡くなった詩人Kさんの口が先月に続き出品さる。詩集が大量に出ている。戦後の詩書の山があちこちに。二列目の半ばまでがKさんの蔵書でほとんどが詩集。これほど大量の詩集が通常市に一度に出たのは札幌の古書市場では初めてだろう。金と置き場所があれば全部欲しい、すべて買い占めたく思う、貰える筈の賞金20万をアテにして、何年ぶりかで何点もの口に札を投じる。10点以上入れただろうか。16万ばかり落札。久しぶりに「買った」という実感あり。一度扱ってみたかった『マチネポエティック詩集』(真善美社)が特に嬉しい。元セロもついていてコンディションもいい。