須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

火曜 とうとうここまで

 午後2時半起床。冷水。玄関脇にあるトワレットに入ると、二階から何人かがガタガタと動いている音と階段を昇り降りする音が響いてくるので、もしやと確かめに出ると、引っ越し作業の最中。4トン?トラック2台が来ており、母子二人にしては大荷物なり。入居時は18歳ぐらい、現在25歳ぐらいの息子さんと50代のお母さんの母子家庭だった。ちょっと問題があったけれど、十分我慢できる程度であって、立ち退かれるのは残念。ボーリング玉を床に落下させているような音響が1、2時間続いたり、壁?を太鼓のように叩く音と共に、ターザンのミニ雄叫びのような声が深夜、連続して数時間聞こえてくることなどもあったが、耐えられないことはなかった。ここに入居以来長らく体験している、二階真上や斜め上、それに隣室の入居家族に含まれていた幼児から小学生上級までの子供の悪魔のような騒がしさに比べたら、はるかにましであった。新しい入居一家に子供がいないことを切望するが、今から悪い予感がして気分が暗くなる。

 午後5時、食パン2、ロールパン2、アセロラ飲料、ホットミルク、カフェオレ、紅茶にて第一食。〈Amazon〉に2点出品。啄木関係読む。

 8時半、ラジオ第二で吉田松陰「松蔭と幕末・明治の志士たち」。本日の気温14・7〜26・3℃。

 11時半、ドアの外に出ると踊り場に敷いてある敷物(一辺約40㎝正方形のマット)に犬のアレ(液体)の跡らしき円いシミが。ドアを開けてすぐの至近距離。向いの部屋のドアの前にもある。わあ〜、とうとうここまで来たかと驚く。

 Sub南平岸駅方面へ下り、LawsonでモデムをKDDIより送付されて来たゆうパック着払い伝票にて発送、KDDI7月二口分、8993円払い込み。〈Maxvalu〉にて玉うどん2P、ナットウ、調整乳メグミルク生乳しぼり、アセロラ飲料、トイレペーパー、計876円確保。零時半帰宅。踊り場のシミに殺虫スプレーを散布。

 うどん、ロールパン2にて第二食。妻にAmazonへの入力、出品のやり方を説明。

 2時、ラジオ深夜便。80年代英国ロック集。ティヤーズ・フォー・フィアーズ、ポール・ヤング、シンプリー・レッドなど好きなところ。3時、イナダ塩焼き、ホタテのコとセロリのマヨ焼き、熱奴、エビス350ml1、ウィスキーお湯割り1、玄米茶。書見少。午前6時就寝。

月曜 本探しは懐中電灯携帯で

 午後1時半起床。晴。なかなか涼しくならないものなり。冷水、紅茶。

 3時過ぎ、バルコニーを通って、第二書庫から居間に戻り、ADSLのACアダプターを回収。5年前の2010年夏にクラッシュし引退させたパソコンのコード(これもアダプターというのか?)をコンセントに差し込んだままにしていたのを発見、触るとけっこう熱く、この5年間電気代をムダにしていたのを知る。バカだなあと思うが今日偶然わかったのを良しとしよう。ついでに棚に眠ったままのソレルスル・クレジオトゥルニエなどの翻訳本も7冊運ぶ。

 6時半、うどん、冷水、食パン2、レーズンロール2、アセロラ飲料、カフェオレにて第一食。

 アトランタシドニーアテネと五輪柔道3連覇の野村忠宏40歳が引退表明の由。北京、ロンドンの代表に成れずともまだ現役を続けていたとはエライ。

 8時半、ラジオ第二で「NHKラジオアーカイブス」。昭和43(1968)年5月放送「教養特集:この人と語る」。和田芳恵が聞き手を務めた小島政二郎の話の2回目。

 十年使用したADSLのモデムとアダプターを箱詰め梱包。すべてプロパイダー会社の都合なのに面倒、かつ時間が惜しい気分なり。本日の気温、18・3〜25・4℃。

 午前1時〜2時半、入浴。「注文の本を探すのに懐中電灯を使っている古本屋はないだろうな。いいのかあ。くんぷうしょりん」というツイートが流れていたが、自分はこのMSに17年前ぐらいに越して来た時からずっと懐中電灯持って注文本探ししているのだが。

 4時、串カツ、シシャモフライ、イナダの塩焼き、熱奴、蒸しセロリにてエビス350ml1、ウィスキー水割り1、麦茶。頂きものエビス・ロイヤルセレクションはあと残り1本のみ。書見少。午前6時過ぎ就寝。

金曜  麦藁帽子とスキンヘッド

 午後4時半起床。洗顔のみで外出。暖か。マラソンで薫風佐々木宅へ『北方ジャーナル』を届けに向かう。野球帽的キャップ冠った作業着姿の老人が佐々木宅の塀の外に設置された金属製ゴミ捨て場を叩くなどして点検している。塀の中には麦藁帽子姿の男性がこちらに背を向けて鎌を手に熱心に草刈りの最中。主人に頼まれた業者のチームが二人で来ているのか思ったら、自分の視線に気づいてしゃがんだまま振り向いたその顔は薫風佐々木氏その人であった。冬用防寒長靴、長袖、ゴム手袋、頸にタオル、玉の汗を浮かべた顔に麦藁帽子という完全防虫作業スタイル。放置していた雑草が繁茂して道路にはみ出したのを、ご近所のオバさんが刈り取るようになったし、この先、暑くなる一方で益々雑草の跋扈をゆるす結果も想像されるしで、ついに自らの手で始末すべく決起したというか、腰を上げたらしい。一軒家に住むというのも何かと面倒なものなり。組合古本市の目録原稿のこととか、昆虫はホント恐ろしいし、植物って実はブキミだよね、などという話を5分ほど。

 郵便局ATMで4千円おろし、元〈セイコーマート〉の〈LAWSON〉平岸8条店へ。『北方J』と陋屋マンション管理に関する某資料をコピー。と、突然レジから大声。レジ前で清算中のマスクにスキンヘッドの男が身体を捩って、後ろに並んでいる長身の初老男性(といっても自分と同年代か?)を関西弁風な言葉で恫喝している。マスクをしているので確とは判らぬが、三十歳前後だろうか。後ろの男性は平謝り。Tシャツ、ハーフパンツ姿、肥満気味だが小型プロレスラー体型のスキンヘッドは、駐車していた大きめのワゴン車に乗り込み走り去ったのだが、金曜夕方5時過ぎに、このカジュアルな服装でコンビニエンスストアに現れたこの男は工事現場関係からの帰りでもないと見られ、いったい何の仕事をしているのだろうかとちょっと気になる。初老男性の方はタクシー運転手さんであったと判明したが。

 調整乳152円を購入し5時半帰宅。ジュース、きな粉すり胡麻ホットミルク、冷水。8時、うどん、ナットウ、冷水、食パン2、カフェオレ、紅茶にて固形物第一食。

 14日、西江雅之膵臓がんで死去の報。77歳。16日、絵本作家梶山俊夫、肺炎で死去、79歳、こちらは浪速書林の目録掲載品でよく名前を見た覚えがある。

 零時前、A出版Iさんからメール。問い合わせていた装幀家Sさんの移転先の件。本日の気温、14・8〜24・7℃。

 午後2時半〜4時半、入浴。上がってネットからアスタルテ書房主人佐々木一彌氏が16日に亡くなったのを知る。何とも云えない気持なり。お会いしたことはないが、この三十年の間に電話では何度か話したことはある。自分が店を初めて間もない頃、アスタルテ書房が刊行した新刊を分けて貰い、店を閉じて移転した後、世紀が変わった頃であったか、手持ちの澁澤本と種村本を買ってもらったことがあった。ご店主の作品だったと云えようお店に一度も行けなかったのは悔いが残る。92年だったかの組合旅行で大阪に三泊した時、薫風書林の提言に賛成して、見学に行くべきであったなあ。相変わらず(そしてこれからも)後悔ばかりの人生だ。61歳。最近の古本業界、この年代で亡くなる人が続いている。自分ももう目前な訳だが……。

 最近出た或る本の情報をネットで知り、「○○○書店の○○ランキング4位とはなあ……、なんであんな本が売れるんだ!世の中、目のない連中ばかりだ、本の中身見てないけどさ」と大いに腐り、悔しい思いを内的独白。

 朝7時、イナダ刺身、レンコンもち中華風アンカケ、ダイコンとキノコ炒め、燗酒1合、ワカメみそ汁、米飯少、玄米茶。五日ぶりに断酒を解く。書見少。三枝昂之の啄木論と古山高麗雄。午前10時半就寝。

日曜 霙の中、西岡へ

 午前5時半就寝。午前11時前目覚め、正午前起床。松尾貴史の「トーキング ウイズ松尾堂」で入浴や温泉の話を聞きながら、トースト3、伊予柑半ヶ、ホットミルク、カフェオレ、紅茶。

 3時前、外出。午前から出るまでは晴、曇りであったのだが、ぐずぐずしているうちに降り出した霙の中を西岡の坂を上り、札幌大学の向うにある〈DCMホーマック〉へ(3月からDCMを付けて社名変更したらしい)。巻ダン、エアーパック、ガムテープ2、セロテープ4、角5封筒100枚パック、浴室マット、計2949円買う。日曜の昼間とて客多し。2階売り場でパイプ椅子を調査(今使用しているのが限界に近づいているため)。価格は約1600円。4時半帰宅。着ているジャンパーも巻ダンとエアーパック(外側のビニール袋がだが)も霙で水滴だらけ。

 MSの入口入るとロビーのボードに、駐車場のワンコmerde現場証拠写真が6枚ほど、貼られていた。犯犬はおそらく同一犬であると想像され、この飼い主はキビシく糾弾されるべきだが、もともとの原因を作ったわるいやつは大家さんにペットOKにするべしと勧めた管理会社なのだが。

 午後7時、うどん、ナットウ、冷水、トースト1、ココア、紅茶にて第二食。8時、NHK第二田中優子講演。続いて9時から松井今朝子講演「武智鉄二というカオス」。11月だったかにラジオ「日曜名作座」で放送された『三世相 並木拍子郎種取帳』はなかなか面白かったが、武智鉄二の弟子とは知らなんだ。監督した愛染恭子主演の「白日夢」は観ており、武智歌舞伎という言葉も知っていたが、永六輔蜷川幸雄の憧れの対象であったとか、武智の実家がスゴイお金持ちであったとは、これも初耳。松井さんのブログを覗いてみると料理がお得意のようで毎晩ウマそうなものを作っては写真で紹介していて、すでに食いものエッセイも何冊か出しているのを知る。

 本日の気温、−4・5〜2・0℃。零時〜1時半、入浴。「ラジオ深夜便」聞きながら、アゲと高野豆富煮付け、鶏肉ダンゴwith蒸しキャベツと焼きネギ,蒸しキャベツ梅和え、目玉焼き、黒豆せんべい、ウィスキーお湯割り5、玄米茶。4時、「ラジオ深夜便」で保坂正康「昭和史を味わう」。午前5時半就寝。

金曜 大福について小考す

 午前10時半目覚め、正午前起床。曇り、夕方雨。札幌は吹雪かず、さほどの悪天候にはならずに済んだ模様。川崎の中1男子殺人の容疑者逮捕。被害者の知り合いである18歳と17歳2人の3人。国会で首相がコメント。「卑劣」という言葉もこの人の好きな語彙の一つのようだ。

 2時、うどん、ナットウ、冷水、トースト1、バナナ1、ホットミルク、カフェオレ、紅茶にて第一食。3月分家賃、62577円をJNBからネット送金。

 6時半、トースト2、きな粉大福餅1、バナナ1、カフェオレ、紅茶にて第二食。大福は兵庫県加古郡稲美町のイナミ製菓製。中位の大きさに粒餡たっぷりで好感が持てる。関西だとこのくらいのサービスをしないと売れないのだろうなと思ったことだ。

 火坂雅志、昨日死去の報に驚く。58歳。急性膵炎だというから急死なのだろう。読んだことはないが、原作がNHK大河ドラマ化されて放送されていた数年前、ラジオで話しているのを聞いた覚えがある。人生わからぬものなり。
 本日の気温、1・2〜5・4℃。「ブンガク夜話」原稿続ける。午後11時、零時、鶏レバつけ焼き、鶏肉ハム、蒸しモヤシ、豆富入りギョウザスープ、米飯、玄米茶、カフェオレ、バナナのて第二食。原稿続ける。

 5時半、「ブンガク夜話」57回目原稿了。小笠原氏、モモ氏へ送信。鶏レバ、鶏肉ハム、目玉焼き、ワカメとネギ入りギョウザのスープ、燗酒二合、ウィスキーお湯割り1、玄米茶。

 朝方、元『札幌人』発行人で北海道ブックシェアリングの荒井氏より久方ぶりのメール。近々、一献差し上げたいとのお誘い。有り難し。午前8時就寝。

火曜 進捗具合

 午前9時前目覚め。9半起床。昨日よりは気温低し。正午、トースト2、モンデールのシュークリーム、ホットミルク、カフェオレ、紅茶にて第一食。

 午後六時、うどん、ナットウ、冷水、トースト2、カフェオレ、紅茶にて第二食。右手中指の先がアカギレ、キーボードを打鍵すると響く。小川恵『銀色の月』読む。

 午後9時前、T氏からFAX。校正を返送しましたかとの確認。N社社長が2週間ほど検査入院した由で、ご自分からは携帯電話がしにくく、進捗具合が見えないらしい。こちらのFAX機、受信は出来るが送信はできなくなったと半年前に伝えてあるのを忘れられているようなので、電話を入れる。社長は検査入院中も外出は出来てるらしく作業に著しく支障が出るということはない模様。最後は「いずれにしろ、3月には出したいですね」とのことだった。

 本日の気温、0・2〜2・8℃。10時半〜零時入浴。「青春アドベンチャー」の「ニコルの塔」7回目を聞き逃す。零時半、肉豆富、小揚げ煮、目玉焼き、米飯、みそ汁、玄米茶、カフェオレにて第三食。「ブンガク夜話」原稿進まず。

 断酒。午後4時就寝。

土曜 銭湯往復

 1月9日、金曜、夜。FMで谷山浩子のパーソナリティーの番組RADIO 1890 WINTER 聞きながら、紅シャケ、肉豆富、みそ汁、米飯、ほうじ茶、カフェオレ。昨日今日、やや気温高めなのか、室温12℃を下がらず。徹夜。

 受注。第一書庫で本探し。午前6時、ラジオ第二で新潮社山崎豊子担当編集者の講演。梱包2。7時半、「ウィークエンド・サンシャイン」。

 午前10時、うどん、ナットウ、冷水、カフェオレ。雪が止んだので11時過ぎ、郵便局往復。ATMで8400円おろす。玄関前の雪を竹箒で掃除中の管理人さんに挨拶。お年を召されたなあ(そういう自分もまた)。大家さんはこの数日、ユンボで駐車場の除雪に余念無し。

 午後1時半就寝。午後7時過ぎ起床。トースト2枚、野菜スープ、カフェオレ、ほうじ茶。

 午後8時、妻と西岡の坂を上る(別行動であるが)。〈AION〉で合流。食糧調達。みそ汁、食パン、まきばの恵み低脂肪乳2、モヤシ、マルちゃん玉うどん、ナットウ2、月桂冠酒一合P2ヶほか計944円。9時から11時、道路挟んで向いの〈スーパー銭湯太陽〉で火曜日以来の入浴(別行動であるが)。二人分で1100円。体、頭と洗った後は元を取ろうとサウナ、露天風呂、ヨモギ風呂、電気風呂を試す。露天風呂を除いて、ロビー、更衣室、洗い場、すべて暖かく、久方ぶりに洗っている時に体が縮こまらなくて済む入浴を堪能。備え付けの洗剤はちょっと薬臭いが全体としては満足する。わが家の浴室は照明と換気扇のスイッチが連動しており、入浴中はずーっと不可避的に換気扇の下の冷気の中で歯をガチガチ云わせながら体を洗わねばならず、一階なので床も冷たいなんてもんじゃなく、凍える寒さ、まるで冬場の露天風呂の浴槽でない場所(椅子とか置いてある休憩場みたいな)にいるような感覚を味わえるのである。これが、年々それはそれは辛くなりつつあるのだ。まあ、それでも外に出向くのは大儀で、また不経済でもあり、やはり家風呂に入れた方がありがたい。だが、ヨモギ湯が効いたのか、帰宅後も体の中にポカポカ感があり、元来温泉好きでもあるしで、たまにはあそこを〈スーパー銭湯太陽〉を利用するのも悪くないと思ったことだ。大枚550円の余裕のある時に限られるけれど。銭湯出てすぐの場所に有名居酒屋チェーンのネオンが輝いており、「ああ、あの〈つぼ八〉でもいい。飲みたいものよのお」と思ったけれど近寄らず、普通の人がビールや発泡酒購入のために寄って行くコンビニエンスストアにも足を向けず、水を飲むため我が陋屋へと帰路を急いだのである(上がってからロビーで待ち合わせはしたが、後は、歩調が合わないので妻とは別行動)。そう云えば、風呂上がりに体重計に乗ったところ52・6キロだった。サウナで流した汗の分を加えると普段は53キロぐらいなのだろうか。

 午後11時半帰宅。〈JazzTonight〉。本日の気温−1・9〜1・5℃。曇り、雪、曇り。チャーハンとワカメみそ汁、カフェオレ、ほうじ茶。買ってきた酒はあるが断酒。ニュースで吉行あぐりが今月5日に肺炎で死亡していたのを知る。107歳。狸小路の〈中川ライター店〉、今月末の閉店予定だったのが明後日12日に早まった由。昔、道内田舎の小学校は修学旅行で入ったものなり。かく云う自分も。