須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

金曜 Rプラザ初日店番ス

 8時起床。ウドン、ナットウ、冷水、ミニあんパン1、カフェオレ。9時20分出。雲間に青空少し。農協で1月分家賃後半32500円を払い、地下鉄。9時50分過ぎ狸小路<Rプラザ>着。社員用エレベーターに乗ったまではいいが、人まかせで行き先ボタンを押していなかったために、上がった7階から地下まで戻り、8回の売場に着いたのは開店時間の10時となる。萌黄書店ご夫婦が陳列にいらしていた。レジは毎回ご一緒の中古レコード<ページワン>のバイトの佐藤さんという女性。この人がいてくれると〆までほとんどレジを担当してくれるので助かるのだ。数字が合わなくなるのが恐ろしいので、彼女の休憩時間を除けば、自分はできる限りレジには触れないようにしているのである。A本屋さん、朝の補充整理に来。5月1日の分も合わせてアルバイト代1万円いただく。
 11時過ぎ薫風書林出現。2時間近く物色。集中力をそいでやろうと側に行って話しかけ邪魔をする。カードでお買い上げ戴く。カードを持っているのだから、立派な市民である。何点か、「あ!このこの」と思う悔しい品あり。薫風の話によると、今年になってル・クレジオ札幌大学に来ていた由。自分の知り合いもサインを貰っていたらしい。自宅からすぐであることだし、情報知っていたら自分も行ったのになあ。サイン貰えずとも顔ぐらいは見れたろうに。残念。 
 1時から2時、社員食堂にて昼食休憩。妻オニギリ2ヶと備え付けの番茶と冷水。書見少々。『北方文芸』93年3月号に載っていた中村南さんの「ナニシテ」という小説と、妹尾という人の中村さんに関する論考を読む。長いものではないが小説は読み残す。道内イナカ舞台のロードムビー的な話の展開、知的の真反対の登場人物たち、頻出する不自然でヘンな会話等、中村さん作品では後に書かれ、昨年一読した「ゆるくない」に似ている。
 午後から萌黄さん再来店。ちゃんとした古本屋さんは皆さん熱心である、勤勉である。薫風書林はちゃんとしていないように人にみせかけておいて、あ、あんまり頑張らなくていいんだな、と人に思い込ませ、人を油断させておいて、実はちゃんとしているのだ、きっと。

 5時半、休憩、オニギリ1、水、売場マネージャーから貰った六菓亭の菓子半分。10分ほど仮眠。

 7時台、台の整理していると声をかけられる。某出版社を辞めて『札幌人』を手伝っている柴山クンだった。出版社の前は『札幌タイムス』で小笠原君、金子君、荒井さん(『札幌人』代表)と同じ職場であったという寡黙で不思議な青年。一部で評判になっている先日の『札幌人』交流会に現れた美貌令嬢について質問。なるほど、それは確かに令嬢だ。少年期からずっとCMソングを聞かされたあの道内企業のお嬢さんとは。「でも、ボクは好みじゃないです」と求職運動中である柴山クンの堂々たる意見聞きながら、いいな、若いって、選べる自由があって、とオジさんは思うのであった。

8時終了。毎度のことではあるけれど、なんとも長かったのである。10年前ぐらいまでは7時閉店であったのに、日本人の夜行性が高まるにつれて大型商業施設の閉店時間が遅くなった。この1時間が売る側のバイトからすると無性に長く感じられるのだが、他に雇ってくれるアルバイト先はないので贅沢は云ってられない。本日はまだ新聞に広告が掲載されていない割にはなかなかの賑わいで売上まあまあ。うんざりするほど忙しいというにはほど遠いが、売場にお客の姿絶え間がなく、静かに読書の一日とはならず。このRルズの催事のまったりした雰囲気が、一介のアルバイトには都合がいいのだが。 

 南平岸Maxvalu>で買物。食パン、とうふ、ナットウ、モヤシ2、漬物、アップルジュース、計686円。帰宅、9時過ぎ。シャワー。酒1合半をブタ肉のホイル焼き、モヤシサラダ、ハタハタ汁。昨今メスはお高いのでオス。卵の入っていないハタハタはさみし〜っ。太宰治も好物であったというこの魚、成長期にはしょっちゅう食わされたが何処がウマいのか分からなかったけれど。

 「紳士は金髪がお好き」を見る予定であったが、睡魔が来りて、2時過ぎ、就寝。