須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

木曜 妻帰る

 8時15分起床。連続テレビ小説見る。トリさんの水取り替え。うどん、ナットウ、冷水、ミニあんパン2、カフェオレ。9時45分家を出る。晴。地下鉄で、先週全連大市で上京していた薫風書林と遭遇。相変わらず黒ずくめの、何時、誰が死んでも即座に真っすぐにお葬式へ行けそうな服装。眼鏡を新調している。バックも新しい。秘かに儲けているのかもしれないなと思いつつ、東京の香りを嗅がせてくれ、と頼んでくんくんさせて貰う。

 10時15分前<Rプラザ>着。昨日の続きをやる。昨日積んでおいたダンボール二百箱をA本屋ワゴン(平台)前に運ぶ。5人でこれを1時間で終了。11時から徒歩5分の距離にあるHCB三条ビル支店の荷を運ぶ。エレベーターはないので2階から階段でおろす。60箱分。それをカーゴ2台に積んでRストア8階まで2往復。12時、15分休憩。あとは休みなく4時ちょっと過ぎまで陳列。途中、鼻血少し。ティッシュを鼻の穴に突っ込んで本を並べている自分の姿を見て、売場担当マネージャーが写真に取っておきたいと笑う。ははは、笑うがいい。十年後を見ろ!もっと笑わせてやるからな。午後からは時々、今日はいつもみたいにはメシを食わせないのかしらん、と内的独白しながら作業していたのであるが、終わってみれば昼飯代込みで7千円戴く。ありがたや。メシよりも現金支給の方が助かる。毎日この仕事があったなら、自分はそれで充分生きて行けるのであるが・・・。A本屋の陳列終了後、萌黄さんより明日からの説明、次回の企画で考えている一箱古本市ならぬ半畳古本市のお客さんへ勧誘の件、など。他の店はまだ陳列中なのでA本屋さんの台のみさらっと見て辞す。

 <Rプラザ>向いの<ダイソー>である目的のために必要なマッチを買い(放火にあらず)、南平岸の<百円市場>で牛乳、卵、しばしの逡巡の後、酒・小山酒造のトクトクパック500ml計608円を調達し、6時過ぎ帰宅。

 メールチェック。鶏即席麺、ナットウ、冷水、塗るチーズを塗って食パン1枚、牛乳。入浴急いで済まして8時、「柳生十兵衛」。いざ果たし合いの見どころの殺陣の場面で妻が帰宅。出迎えでいいところが見られず。札幌でバスを降りた瞬間に、こむら返りというか肉離れというか、脹ら脛に激痛が走り、タクシーで帰って来たかったが我慢して、米、魚などの食料の詰まったバックを両手に、バスと徒歩でわが家まで、死ぬ思いでたどり着いたそうだ。貧乏って、ほんといやね、と繰り返すので、自分もドラマの観劇を中断されて、まったく同感、ほんと困るな、貧乏の奴、と思ったものである。

 9時のニュース放送中に堀江貴文君が釈放。これからまたメディアでいろいろ語り始めるのだろうか。お願いです。つまらないものですが、ボクの心をお金で買って下さい。と頼んでみようか。「1千万でどうでっしゃろ?」「・・・・・・」「ええい、百万だ、持ってけ泥棒」「・・・・・・」「じゃ、じゅ、じゅ、10万でなんとか」「・・・・・・」「1万円で(せめて古書組合費の残はこれで払おう)」「ガラクタに金は出せませんよ」と結局断られそうだ。

 横浜、阪神に3連敗。広島に変わって最下位に返り咲く。

 ガンバレわたし、と痛みを堪えながら妻が洗濯物を干している横で酒二合半。肴は妻が運んで来たマグロの漬け、ホタテ、甘エビ、サケ、ソイの刺身、義兄の奥さんお手製のイカめし。ホタテの甘み濃厚。通常、市販のイカめしはスルメ烏賊を使っており、ヤリ烏賊で作ったものは珍しいのだそうな。で、この義理嫂のお手製、実にいいお味。森のイカめしよりも、ずうっと旨い。生まれてこのかた食したイカめしの中で一番と断言する。これを売り物にしないのは惜しい、と妻に向かって褒めたたえる。21、2年前から使っている洗濯機、今までは小さいイビキのごときであった作動中の音が、今日は異常にでかいイビキになっている。時として悲鳴にも聞こえて苦しそうなので声をかけてやる。これからはもう少し労るからね、洗濯機。もうしばらくのあいだ頑張ってくれたまえ。

 妻は患部に、自分は腰にと、二人してサロメチールのご厄介になる。今夜はストーブを焚いたり、消したり。日中はさすがに暖かくなってきたので助かる(灯油代も)。明日は<Rプラザ>の店番。A本屋さんにアルバイト代前借りメール。4時就寝。