須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

木曜 オタクの中で

 2時起床。3時現在、晴、18・5℃、湿度45%、最高気温22℃であった由。トースト2、ミニあんパン1、バナナ1、カフェオレ、紅茶、冷水。国会中継
 日記。注文第一書庫にて本探索30分。8時、うどん、トリ唐揚げ、ナットウ、冷水、紅茶。
 9時、途中からテレビで「レッド・ドラゴン」。入力。1時、ハヤシライス、冷水、マロンケーキ、紅茶。
 「月館の殺人」下巻再読。作中の主人公の祖父の顔は川端康成、テツ(鉄道オタク)の一人は大江光さんに、主人公の亡くなった母親はこれは偶然だが我が友人の奥さんにそっくりである。作中人物の名前にも日置健太郎とか今福健二とか、文芸批評家や人類学者みたいな名前をつけて作者が遊んでいる。どうも一晩中雪が降り続いた割には(横殴りとはいえ)漫画の中の積雪量が少なく見える点や、千歳空港からクルマで雪道を約1時間の土地で携帯電話が圏外になる場所があるのだろうか(ケータイ所持してないので分からんのだが)、などの疑問点も幾つかあるのだが、あまり日常生活レベルの細かい点を突くと本格ミステリは成り立たなくなる文芸なので忘れましょう、はい。これは鉄道オタクたちの話であるというのがすでに一種のトリックよね、とYが指摘する。なるほど、デビュー作「十角館」がミステリ・オタクの中で繰り広げられる連続殺人という設定であることにより成立し得ている作品であるのと等しく、この「月館」は鉄道オタクというマニア、一種の狂人たちの中で展開する殺人事件という設定であればこそ読者は作品世界に巻き込れ、虚構の館での錯綜を喜んで楽しむのだろう。R・グルニエチェーホフの感じ」もようやく読了。ミステリの登場人物以上に不思議な人。三島より一歳若く死んでいたとはなあ。午前8時就寝。断酒。