須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

水曜 交換会/見舞/太宰展

 3時半目覚め、4時起床。ロールパン3、バナナ1、プロセスチーズ、牛乳、紅茶、冷水。書見。萌黄さんから借りてる『新潮』3月号。小林恭二「遁世記」。珍しく自伝的(?)な要素取り入れた短篇。「先生とわたし」読み終わらぬので(妻はあっと云う間に読み終えたというのに)もう少し借りることにする。8時半、食パン2、バナナ1、牛乳、紅茶、冷水。
 9時半過ぎ出。<セブンイレブン>でDION7月分4385円払う。南平岸駅地下鉄ホームで薫風書林と遭遇。少しやつれたか。車内で向いの席のお嬢さんが我々をイヤなものを見る目で見ていた。無理もないか。大通駅で薫風と別れ、<リーブルなにわ>で『詩学』買い、セリ場へ向かう途中某ビル某所へ寄り最終回分2426円払う。薫風書林を連れて来て世にも無表情な女性を見学させてあげればよかったと後悔。

 10時20分頓宮神社着。札幌古書組合月例交換会に参加する。萌黄さんからグラシン紙譲らる。480円。都心にまたブックオフが出来るという話聞く。例年、8月のセリはがらーんとサミシイのだけれど今日はけっこう荷物が出ている。個人全集の旧版がたくさん出品されていたが、ことごとく、ほにゃらららーんという値段で落ちていた。金と置場があれば個人用に全部買いたいぐらい。ほとんど読まないで人生終わるだろうけれど。自分は文庫新書六本口を買った。12時15分セリ場を後に。

 晴天の下、じゃんくさんのクルマに同乗して小笠原君の見舞に北上。この歳で手ぶらはよくないなと考え、某<セブンイレブン>でノンシュガー・キャンデー194円買おうとしていたところに見た覚えのある顔が二人外を通る。手を振ると、やはり小笠原君と金子君であった。聞けば、携帯灰皿を求めてお出ましになったのだと云う。あんまりあっさり云うので唖然としたのであるが昨日からすでに禁を破っているのだそうな。ええええええ!?この男、死にたいのか。よりによってお医者さんから一生吸うなと禁じられた煙草をもう吸っているとは。うーむ。これが真の愛煙家というものなのか。とにかく真の無頼派と云おうか命知らずな男なり。医者から受けた説明を彼なりに解釈したところでは、今回、彼を襲った症状は喫煙習慣の有無に関わらず誰にでも起こりうる事例なのだと云うが果たしてそうなのか。 http://ch10387.kitaguni.tv/

 二人と共に近くの◎◎病院の病室へ。四人部屋。入院は人生で初めてなのでいろいろ戸惑うことが多いそうな(自分はまだないがいつになることか)。枕元に本が積み上げてあり、『虚無への供物』が今読みかけであるらしいのを見て取り、「動機がえらく純文学的なんだよねえ」とか、「その奈々っていう登場人物のモデルは今も健在の歌人尾崎左永子さん」とか、「洞爺丸の台風で青函連絡船が沈んでこの作品の構想が一気に浮かび上がった」とか、「作者の親父さんが有名な植物学者で北海道とも関係があって云々」とか中井英夫についての知ったかぶりを披露し、「犯人は云わないで下さい」と小笠原君から乞われる。『北方ジャーナル』の打田さんも来られ、初対面のご挨拶。見舞に持って来られた酸素水というの1本貰う。ちょうど喉が乾いていたところなので。小笠原君、芥川賞作品掲載の『文藝春秋』、もう読んだからとくれる。ありがたし。2時頃に辞す。

 地下鉄で中島公園へ。北海道文学館で「太宰治の青春ー津島修治であったころ」展見る。600円。最終日のせいかけっこう人がいる。予算の面でいろいろあるのであろうし、ガラスケースに入っているモノを見るのでこちらからはどうでもいいと云えばどうでもイイのだが、もちろん単行本はホンモノだけれども、肉筆類、雑誌類のほとんどが複製だった。陳列品では今回が道内初めてのお目見えと謳われている中学時代の英語の教科書、ノート、答案用紙ぐらいがオリジナルのようだ。「石上玄一郎」にはわざわざ「いしがみ」とふりがながふってあったが、今の今まで「いそのかみ」と読んで来た自分はへええ、そうだったのか、とちと驚いた。帰り、1階ロビーの雑誌コーナーで『俳句』と『俳壇』の置場が空で下の部分に何か書いてあるポップ用紙みたいのが貼ってある。読んでみるとこの雑誌は盗難頻発のため閲覧室に置いてあると案内が書かれている。他の雑誌類は以前のように置いてあるのに、俳句関係雑誌のみの姿なく、これって不謹慎だがちょっと笑ってしまった。熱心な俳句の読者がいるらしいのだから。 

 16時半帰宅。赤帽さんが届けていた今日の仕入れ本を部屋に入れる。一箱だが置場ないので要15分。受注。19時半から21時仮眠。入浴。22時「ハゲタカ」。サッカーU22オリンピック予選も時々チェック。23時半、鮭、冷奴、もやしとメカブ和え、米飯、とうふみそ汁、番茶。数日ぶりに胃袋が膨らんだのが実感さる。1時半就寝。断酒。