須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

久しぶりの二日酔い

 午後3時起床。老インコ金之助まだ生きながらえている。鳥籠の床に降りて亀のようにじっとしているのが痛ましい。呼吸の度に背中の羽毛がわずかに盛り上がるので生きているのが分かる。ほとんど飲まず食わずでよく頑張っている。2時間ばかりストーブを焚く。

 二日酔い。相当気分悪し。昨夜帰宅してから飲んだワインカクテルが余計であったようだ。汗をかいてアルコール分を発散せんと日清チキンラーメン、ミカン2ヶ、紅茶、冷水にて第一食。トリにも好物のミカンを与える。今やこのミカンだけが彼の命綱だ。

 4時から、アセドアルデビド(でよかったかしらん)のため、いつにも増して濁った頭で某誌投稿用の詩らしきものを書く。6時一応完成、印刷。小雨の中、平岸六条郵便局前のポストへ投函に行く。あ!と思った時には遅かった。速達であるのに、二つある投函口の左側、普通便の方へ入れてしまったのだ。放っておいても恐らく局で振り分けられて、ちゃんと速達便として明日には都内に着くであろう、とは予想できるのだが、もしかすると、という心配があるのと、270円の速達分送料が無駄になるのは悔しいので集荷のクルマを待つことにした。シャッターのしまった郵便局の前に立ち尽くし、雨空を見上げながら、ああ、こういうふうに自分の人生は過ぎてゆくのだなぁ、と思う。郵便局の隣にある夕方から営業のエロビデオ屋が思いの他繁盛しているのが判明。20分ほどして集荷のクルマ着。訳を話すと「そのままでも大丈夫ですよ」と答える係のお兄さんに食い下がり、自分の投函した封書を見つけてもらい、速達用の袋に入れ直すのを見届けて帰宅。「立読みでもして来たの?」と訊く妻に仔細を話すと、「ああ」と目を瞑り閉じた瞼に手をやって、立ち眩みのマネをしてみせる。

 18時現在、雨、19・1℃、南の風5m/s、湿度61%。

 7時、煮魚ヤナギノマイ、目玉焼き、豚汁、米飯、どら焼き1ヶ、番茶にて第二食。

 昨日入金なったプリンス島田の「地上」(季節社1983年)の解説を一部筆写して後梱包。<楽天>より「ヴォネガット、大いに語る」サンリオ文庫注文あり。500円。
 郵政民営化法参院で可決して成立。今日になって初めて昨日報道された楽天村上ファンドのTBS乗っ取り計画を知る。
 11時から入浴1時間10分。2時から日記書き。3時ぐらいからインコの容態が急変。籠の中で何かに引っかかったのか羽をバタつかせていたが、そのバタバタで残っていた体力を一気に消耗したのか、籠から取り出した妻の掌で目を瞑り死んだようにぐったりしている。やせ細って軽く、呼吸も力なく、体温も極端に低く、冷たくなっている由。今週に入ってからの弱った状態のまましばらくは生きていてくれるかとかすかな期待を抱いていたのであるが、どうやら別れの時が近づきつつあるようだ。異変に気づいたのか、もう1羽の息子インコ蘭丸の方は、ずっと止まり木の同じ場所に固まったままだ。ストーブを焚き、妻が掌で暖める。そういえば今日は籠の出入り口の向こうから、「出して」と云うように何回か自分を見上げていたが、妻の話によれば、衰弱したインコは人間を頼ってくるようになるそうで、あれは体を暖めて欲しかったのかもしれぬ。妻が髪を乾かしいる間、自分が掌に乗せて寝かせて看病。元気な時は人に触られるのを好まぬインコであったが、今はなすがままになっている。冷たかった体がだんだんと暖まり、目に力も出て、羽も動かそうとするので、洗面所にぬるま湯を溜めて妻がお尻を洗ってやる。ティッシュでよく拭いてからミカンを与えると突つき、エサも啄んだ。お尻が奇麗になって、生きる気力が出てきたようだ。どうか、少しでも長く生きてくれればいいのだが。

 昨夜もらってきた焼酎の水割り1杯。5時半就寝。