須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

『假面』の告白

 晴、最高気温26℃。

 3時半起床。3時間ばかり寝すぎた。起きたら、サッカー・コンフェデ杯、日本がギリシャに1−0で勝っていた。4時前、郵便局。振替妻口座から5040円、ぱ・る・る須雅屋口座から4千円おろし帰宅。

 郵便受けの中に「中央堂書店目録」31号、「石神井書林古書目録」66号、「古書月報」410号。19年前に独立開店した頃は、よし、わしも石神井書林になろう、と愚かにも野望を抱き、同時に、そうだ、下井草書房にもなってやる、と不遜にも目標を立てたのであったが、古本屋をやればやるほど貧乏になってゆき(あくまでも須雅屋の場合であるが)、やがて世間知らずで身の程知らずの愚かな夢であったと否応なく思い知らされ、いつか諦めて、まずは食うことだ、すべてはそれからだ、と計画を大幅に下降修整し、細々でいいからやってゆこう、としてきた筈なのに、その食うことが、どうにもその、今だに出来ていないのである。「古書月報」は特別付録として大正11年1月「古書籍商組合會報」第壹号の複製がついている。こういうもんをオマケにしてくれるところがこの業界のオモシロイところ。

 うどんを啜っていたところに電話。例によって「はい..........」とだけ発語し黙っていると、向こう側で話し始めたのはかねて知り合いの、この近くにあるS大学の先生であった。ネットに載っけている雑誌『假面』復刻版への注文。「はい、わかりました、配達しますですよ」と応じる自分の声が思わず弾んでくるのが分かる。ああ、助かった。これで家賃(4月分の)が払える。電話の応対聞いていた妻の顔も明るくなる。日夏耿之介長谷川潔らも執筆しているこの『假面』復刻の29冊セット、1997年の札幌組合大市で仕入れたもの。長かったが、とにかく売れてよかった。

 A本屋さんからメール。<日本の古本屋>委託出品分のダンセイニ「魔法の国の旅人」注文あり。

 テレビが壊れて毎日ラジオを聴いている。ウチのインコたちがロックやジャズのアップテンポの曲が好きであったのを久しぶりに実感す。演歌が流れている時などは、しーん、としているのだが、ロックやジャズがかかると、曲に合わせるが如くやたらとサエズリ出すのである。それがまたとてもうれしそうに見えるのだ。

 断酒。6時半就寝。