須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

月曜 出張、緊縛の1日

 午前7時半目覚め。あと眠れず8時半起床。冷やしおろしうどん、ナットウ、冷水、トースト1、牛乳、オレンジジュース、紅茶。9時40分出。地下鉄。

 10時10分過ぎ某家到着。すでにSさんもいらしており、Aさんは早くも作業中。自分も先日見られなかった本を検分しながら大市の目録に出品できそうな物をメモに取りつつ、紐で結わえてゆく。Sさんから緑茶ペットボトルが支給されるができるだけトイレに行きたくないので飲まず。

 11時半過ぎ、まだ仕事を初めて1時間ちょっと、ようやくエンジンがかかってきたところにご主人から昼食のお誘いありご馳走になることに。快晴の下、三々五々歩きながら、9月になっても暑いね、蒸すんだよね、との会話。食事場は夜は居酒屋になる人気の店の由で、定食のオカズを自分で選べるシステム。サイコロステーキ、肉味噌豆腐、とろろ、米飯、みそ汁、タクアン、麦茶。ご主人とSさんは各自ビール1杯。自分は少しでもアルコールを摂取すると全然仕事にならない(したくない)タイプなので冷麦茶のみ。

 現代のある女性作家(いい小説を書き続けている優れた作家であり個人的にも好きな作風なのであるが)の短篇で、クロス貼り職人修行中(?)の若者がその日工事に赴いた先の住人女性に昼食を喚ばれてワインを勧められるままにボトル半分飲むという話があった。自分も電設会社に在籍経験あり工事現場を多少は知っているがこれはあり得ない。フランスとかイタリアとかスペインとか昼休みがのんびり二時間もあれば(いま現在あるかどうかは定かではない)別だが、きっちり一時間しか休み時間がない日本では、酒を好む人であっても(呑み助の職人さんが多いと思うが)、酒一斗の自負がある人であっても手は出さない。一端飲みはじめたら止まらなくなる人だっているし(ってオレのことか?)、一見安全そうなクロス貼りの仕事といえども刃物(カッター=実はこれが一番危ない)を扱う作業であり、手元が狂って裁断を誤ったりケガをしたりする危険を招く引き金となる飲酒など、仕事が終わるまでは決してやりはしないものだ。昼休み中、メシのほかに職人さんたちが少しでも積極的に欲することといったら酒などより睡眠なのだ。だが、普通はあり得ないことを発想して物語を展開してゆくのが創作だと云われれば、確かにそういうものなのでございましょうね、と頷くしかないのであるが。

 12時半過ぎ、作業再開。前回下見に来た時はさほど感じなかったが、やはり相当に埃っぽい。手が真っ黒、おそらく鼻の穴の中も。ソルティ・シュガー「ハナゲの唄」が頭の中で鳴り出す。これが古本屋の宿命ぞ。3時半、仕事の早いAさんが担当分を終えたので、レコードもまとめてもらい、次いで奥の部屋も点検してもらう。Nさん、カンコーヒー携え慰問?に寄り1時間ほどいて帰る。できるだけトイレに行きたくないので手をつけず。5時半終了。予定の四分の一も進まなかった。ピッチ上げて次回で終わらせなければと反省。Sさんと地下鉄で帰途に。オレは今、あの◯◯組◯◯◯◯の曾孫と喋りながら21世紀、札幌の市営地下鉄に乗っているのだなあ、と思うとなんだかちょっと愉快。だってナントカ総理大臣の子孫なんかより自分的にはよっぽど、はるかにカッチョエエもの。

 <Maxvalu>でシリカ電球2ヶセット、食パン、マルちゃん玉うどん、計453円購い、6時15分帰宅。18時現在、晴、21・4℃(最低16・3、最高25・9)、湿度74%。北の湖理事長辞任、露鵬白露山は解雇のニュースを妻から聞く。

 10時〜零時入浴。サンマ刺身、鶏ツクネ、ジャガマヨ焼き、モヤシメカブ和え、冷奴、温情2合、紅茶。船を漕ぐこと数度。午前4時過ぎ就寝。