須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

土曜 ちかと奈々と泰淳と

 午後1時目覚め、1時45分起床。ストーヴを焚き、マフラーを巻く。牛乳、冷水。舌はほぼ回復か。12時現在、晴、8・0℃(最低1・9℃、最高9・4℃)、湿度42%。3時、うどん、ナットウ、冷水、トースト2、ミニ酒マン1、カフェレ、紅茶。

 梱包1。コンサ札幌は2ー1で大宮アルディージャに辛勝、敵地で連敗脱出。日ハムは5連敗、貯金をすべて吐き出す。インコ蘭丸の様子が少しヘン。3年前に老衰で死んだ父鳥金之助がやっていた「ワシまだメシ食ってない」症状を倣うが如くずっと餌箱の前を動かず、かといって食べもせず、ただ、ぼーっ、としている。

 9時過ぎGS往復。灯油5・02リットル、512円確保。いつのまにやらリッター102円という法外な値段になっていた。そうか、ガソリンのみならず灯油も再値上げで、グン、とアップしていたのだな。忍耐強い諸君!君たち市民よ!もう限界ではないか。外へ出よう!行進だ!デモだ!暴動だ!革命だ!!

 10時台「土曜ドラマトップセールス」。インコは妻が水を替えてやると少し元気を取り戻した。妻が与えた葡萄ジュースの水割りを飲み過ぎて酔っぱらっていたらしいと判り安心する。薄情な自分であるが、もう永くないのかと心配したのである。古本入力。

 1時半、イワシ刺身、カキフライ、天ぷら(エビ・イカ・カボチャ・ナス)、エダマメ、カブ浅漬け、カニ出汁みそ汁、白鹿カップ燗酒1、ウィスキー水割り4、玄米茶。

 酒を飲みながら、なにげなくあるブログを眺めていたところ、ある重要な事実に出くわし、胸にズーンと嬉しい衝撃、思わず寝室にいた妻に教えにゆく。「左川ちかだけじゃなかったわ、ボクと誕生日同じなの、もう一人天才的な人がいた、もちろん年代は違うけどさ」「誰?」「武田泰淳。スゴイだろっ、どや!」とおそらくは鼻の穴を膨らませて宣言すると、「それで、あともう一人岡田奈々ね。なんだかの広告塔で、云々云々......」と即座に返って来、この阿媽ぁ、と内的独白しながら、結婚後早々に岡田奈々と誕生日が同じであると教えていたことを(年は2年違いなのであるが)深く後悔していると、「それを云うなら、キミねえ、ヤンマなんか(缶チューハイやもろもろを廻してくれている妻の友人女性である)夏目漱石と同じ1月5日よ」とダメオシを撃ち込まれたのであった。が、調べてみると旧暦の1月5日なのであってそれは現代では2月9日である由で、つまり水瓶座の水一族なのであるなあ、ふふふ、と一人自己満足したのであった、何の意味もないのは分かっているのであるが。

 某◯◯の日記を読んでいるとむかむかしてくる。快適な土地に住んでウマイ物食って、上等の酒飲んで、いい服買って、骨董愛でて、この何々ブランドのセーターは十万はする筈とか、今某画家に発注してる絵は相場ン十万するのだけれど友達価格で安くしてもらっており、それでもそこそこはするのだが是非部屋に飾っておきたいものなので頼んだ、などなど。その手の新書を読んで現在の日本の格差社会を取り上げ、貧困層を分析の対称にしたまでは良しとしても、日本や世界の現在に危機感持っているというよりは何を心配しているかと云えばオノレが身の保身、貧困層をこのままにしていては巻き添え喰らって自分が属する中間層も、今の優雅な境遇も累卵の危うきにある、それは困るよ、と脅えているだけで。なるほど、たしかに余裕があればかような生活になるのは分かる、当然だろう、自分だってやるだろう。が、それを自慢気に(というような意識はないのだろうがそう読めてしまう)公開しているのはどういうつもりなのか、しかも少しも読者を楽しませぬスタイルで。それほどまでに守りたいか。守り抜きたいのだろうな、そのコンサバでエレガントな生活を。骨董というのは凝り出すとどうも大概文学者としてはダメになるような気がする。と酔っぱらった勢いで書いてみる。エラそうに、古本貧乏人の分際で。

 しばらく断酒していたのにまた毎日飲んでいる。元の木阿弥。午前6時過ぎ就寝。