須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

木曜 編集会議

 9時過ぎから例により二階ガキうるさく時々目が覚める。12時、風水占いオバさんの鳴らすチャイムに起こされる。二度寝。3時起床。15時現在、晴、5・1℃、最高気温6℃。うどん、トースト2、冷水、カフェオレ。発送5。岩内義兄宅へFAX。
 6時45分出。地下鉄で札幌駅へ。7時半、かでる2・7到着。『札幌人』の編集会議に1時間遅れて出席。予想外に多く二十人ほど。先日亜本屋さんにワイエス画集を探しに来た石垣渉君に挨拶。サッポロ堂さんの隣に座る。正直申さば今イチこの会議の意義と目的が分からぬままに参加したのだけれど、多方面に渡って人脈がおありでブログや道新(過去の)でも格調高い文章を綴っていらっしゃるそうなのだが、おい、そこのニイちゃんだの、みんな甘いだの、ぐちゃぐちゃ云うなバカだの、アンタたちの書いてるモンはマスターベーションに過ぎん、などと自分の部下でもない初対面の人間にもたいそう威勢良くハッパを浴びせながら意気盛んに自説を展開する某地場企業のおエラいさんや、写真や編集の私塾をしながら経営コンサルタントもやっておられ、「古本屋まがい」のこともしていらっしゃる由の八方に渡ってご活躍しているらしい五十代とおぼしき男性の、アナウンサーのような美声となめらかなジャベリでもって、既刊『札幌人』の写真・レイアウト・文章のほぼすべてを全否定するご高説などをただ拝聴。半ばは正鵠を射ている面も確かにあるのであって、なにかとお勉強になる。しかし、自分が聞いた限りでは、1月に<焼鳥じゃんぼ>で杉村悦郎さんと中野朗さんが指摘していた点以上のものは得られなかった感じだ。というか、「無責任に云わせてもらえば」と断りつつ杉村さんがあの夜述べた『札幌人』観にすべて云い尽くされていると思う。タニマチ的特定個人のスポンサーが付けば財政は豊になろうが、反面ますますシガラミで身動きがとれなくなり、今まで吹いていた自由な風も止んで、誌面は沈滞する怖れもあるんじゃないべか、とちと気がかりだ(おおっ!なんてエラそうな)。9時終了。
 近くの緑苑ビル地下の<さんこっく>で酒。荒井編集長、同編集員福田、昨年8月以来の『北海道人』小笠原、『BNN』金子、柴山、小笠原君の弟子だという女性ムラタさん、「地名の虫走る」を連載中の牛鍋蝸牛の諸氏と。ビール中ジヨッキ一杯、燗酒四合、焼酎ウーロン茶割り二杯。小笠原君、植木等の死がショックの由。「彼の死は地平線が崩壊した感じすらある」と志賀直哉逝去の折に書かれた小川国夫さんと同レベルの衝撃らしい。自分の分は小笠原君が持ってくれた。ありがたい。が情けない。いずれ三倍にして返すからな、と云いつつ何もお返しせずにこの世を去ってゆくことにもなりかねないとは思うのであるが、その時はどうか赦してくれ。零時帰宅。入浴。FMから流れるジャクソン・ブラウンに唱和。小笠原君に貸してあげてくれと萌黄さんから預かっている本を今日持参せずに終わったのに気づく。午前4時半就寝。