須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

日曜 ちょっと引っ越し1

 10時半起床。胡麻パントースト2、バナナ1、牛乳、カフェオレ、紅茶。

 正午過ぎ家を出、40分ススキノ三条ビル亜本屋さん着。1時から6時までアルバイト。同じフロアの改装ブースへの移動の手伝い。今度の場所は総ガラス張りで廊下から中が本屋であるのがハッキリ分かるのであり、お客さんも入り易くなるにちがいない。今日は展覧会の図録など書棚10本分を紐で括り、棚を6本(スチール4、木2)を運搬。自家製の木造書棚、二人で運ぶがその重いこと、重いこと。ビル内の暖房効き過ぎで少々不快なぐらいだが、久しぶりの肉体労働はけっこう心地よし。バイト代5千円いただく。ありがたし。今週の後半もずっと手伝うので、ある程度の収入が期待できる。

 トイレで隣の北海道画廊の若い社員さんとご一緒。亜本屋さんの引っ越しについて訊かれた後に「道新のコラムいつも楽しく読ませてもらってます」と云われ嬉しくなる。職業柄、営業用の挨拶に馴れているのだろうが、それにしても出来た人である。

 亜本屋さんから『HO』という雑誌を三冊見せられる。札幌で出ている旅行や温泉案内がメインの内容らしいが何処かで見覚えのある誌面構成。あきらかに柳の下を狙ったものなり。「古本屋が売りたくない一冊」なる一頁の連載あり、亜本屋さん始め、札幌の古本屋さんが毎回秘蔵の一冊を語っている。そうかなあ?そんなに売りたくないかなあ・・・オレなんて、今なら肉でも骨でもどうぞって感じだが・・・ああ、皆さん随分余裕のあることだ、と羨ましく思っていたところ、「いや、ウチは売りたくない本なんてないよって云ったんだけどね」と横から亜本屋さん。

 暖かいビルを出ると屋外の寒気に震える。<ダイソー><キャンドゥ>廻り、文具、靴下など630円買う。南平岸Maxvalu>で大根一本168円を買って7時20分帰宅。そう云えば先日亡くなった飯田龍太に「大根を抱き碧空を見てゆけり」という句があったなあ。

 21時現在、雪、0・0℃。シャワー。テレビジョンで植村直己。カツオの漬け、塩豆、黒豚肩ロース焼き、小揚げ煮付け、燗酒三合、緑茶。午前5時就寝。