須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

火曜 不安が募る

 7時半目覚め。9時半起床。ミニあんパン2、ヨーグルト、ブルーベリージャム、牛乳。冷紅茶、冷水。9時現在、雨、15・9℃、湿度89%、最高気温20℃の予報。豊平区は午前に雨上がる。さすがに今日は肌寒くTシャツの上にもう一枚。12時、16・4℃。
 自分も阿呆な漫文を寄せている道新コラム欄の担当編集者が交替する由の連絡メールが二週間前にあり、数日前に今回のモノをその新担当者宛にメールで送ったが何度やっても戻ってきた。アドレスの「ZVE」と大文字で始まる部分を小文字にして試みると送付できたが、心配なので旧担当者にも新担当者に転送してくれるよう事情説明したメールを送っておいた。が、御両者ともに返事がない。ちゃんと届いているのかな、ちゃんと載るのかな、とますます不安が募る今日此の頃なのである。
 次の土日の二日間は古書組合の大市のために丸々潰れる。相当な労働が待ち受けている筈なので夜の帰宅後は疲労のため何もできない。昼飯は出るが手当等は特になし。慰労会が何れある由だが、組合持ちの宴会があるにしろ、肝心の本を仕入れできる金がないので、つまり入札に参加できないので正直云うと行きたくはないのだ。が、事業部員を引き受けている以上絶対に行かねばならないのである。絶対になのである。とても憂鬱なのである。
 室蘭で出ている同人誌同人である峠谷光博という名の人が、あの詩人峠谷光博君であるのを知る。難解だが魅力のある詩を書く人、面白い詩を書く人と思う(難解なだけで面白くない人がけっこう多い)。虻田出身、函館ラサール、筑波大を経て、2000年の有珠山噴火の頃は虻田、今は塾の先生をしながら(05年8月時点では)登別在住の由。他の人にとってはどうでもいいことだろうが、我が故郷伊達紋別の隣町であるあの虻田からそういう新しい才能が出て、現在も生まれ育った町から近い室蘭近辺に住んで(この自分が高校、サラリーマン時代を過ごした場所でもあるが)活動しているのかと思うと、へえー、という感じ。驚きを禁じ得ない。表現というのは何処にいようがやる人はやるということだな。
 6時、うどん、ナットウ、冷水、トースト1、アイスモナカ、冷紅茶にて第二食。7時15分から10時前まで仮眠。
 10時25分、ETV「知るを楽しむ・私のこだわり人物伝/特撮の神様・円谷英二」をYと見る。1回目は「ゴジラは日本人である」。 構成、話の内容も実に面白いものであったが、なにより平成の徳川夢声たらんとする唐沢俊一の面目躍如、その話芸の見事さに見とれる。これは石原慎太郎知事の真反対であるのだけれど、あたかも怪談を語るがごとくにカメラに向かって話をしている間、「まばたき」をほとんどしないのである。たぶん番組を見ていてハッキリと「まばたき」をしたと分かったのは一度だけだ。この番組のためだけにではなく相当以前から(遡ればクラスメートの前でジュゲムジュゲムを通しで演じてウケていた由の小学校時代から)、語り並びに表情の演出の稽古、鍛錬をしていなければとてもできない芸当だ。スーテジに立つなり、マイクに向かうなり、カメラを向けられるなりすると、カチッとスイッチが入り、知人友人との日常の時間の話法から、役者・パーフォーマー唐沢俊一の話法にリセットされるのだろう。ところでナレーションの福島泰樹というのはあの歌人の福島さんなのであろうか。
 11時半、鰹たたき、茄子とピーマンの甘辛炒め、ワカメみそ汁、米飯、アイスモナカ、緑茶。日記。日中、隣りのガキが我が家のドアノブをまたガチャガチャいわせていた。何れ上がり込んで来るかも。午前3時過ぎ、横になる。断酒。