須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

水曜 月例市と半ズボン

 午前7時20分起床。トースト2、牛乳、紅茶、水。札幌古書組合月例市出席のため地下鉄で大通へ。
 9時10分前、頓宮神社着。事業部員はすでに皆揃っており、理事のK堂庄一氏、セカンズさん、元理事の薫風書林も来ている。申し合わせでは本来9時集合で十分の筈なのだが、今季の事業部は毎回異常に集まりがいい。今回もまた店仕舞した小樽のHさんの口が大量に出ている。20冊ほどずつに結わえられた黒っぽい本が7本、8本と重ねられてひと山と一点して出品され、それが会議机の上にも床にも並べられる。会場で並べきれない古い文庫は廊下に重ねられ、千冊ぐらいの山で2点。札幌以外では小樽、旭川、滝川のお店が来ている。先月分、4430円を支払う。A本屋さんにずっと借りていた本代千円払う。

 小樽の古い本の口、ところどころなかなか面白いモノが入っているが、量が多すぎると例によって入札意欲が湧かず。第一回開札に戦前の「最尖端ジャズ文学」シリーズのカバー付が一冊が入っている口があり、安札を入れてみる。あとは、◯◯堂出品の函が汚れて傷んだ現代アメリカ文学全集バラ他の翻訳書の口と、薫風書林出品の詩集の口で新川和江、高田敏子、土橋治重、まど・みちおなどの全詩集が入っている縛り二本口。これは自分もよく知ってるお客のKTさんからの委託本で、清水昶詩集「朝の道」など須雅屋出身の本も含まれているようだ。

 リブロさんからレコード返って来る。ソフトマシーン。友人渡辺和哉から借りていたものを又貸ししていたものだ。リブロ、渡辺の両君には内緒で。薫風氏にストーンズのCD録音頼む。連日30度近い暑さ故、今日のセリ場には半ズボン姿の古本屋さんが三人。その一人がB堂の恊治君。寝坊して、寝起きの姿そのままクルマで来たそうだが、彼の半ズボン姿はなかなか似合っているのだった。日本の中年男でこの姿がフィットするのはかなり稀なことである。

 11時から開札、発声。自分は発声係なのだが、どうした訳か今日は事業部長のI書房さんが最初から最後まで発声をやってくれたので、開札と札改め(発声前に開札作業に間違いがなかったか確かめる係)をやる。翻訳書と詩集の口は須雅屋に落ちていた。安札を投じたジャズ文学の口は駄目。やはり同じく安札を入れていたらしい××書房さんが真っ先に開札していたが、結果は自分より2千円ぐらい高い札で△△堂さんに落札されていた。やはりいい本は収まるべきところに収まるのだな、と自分は思った。

 セリが終わって理事長から、事業部長に発声をやらせて負担をかけてはいけない、と注意を受ける。12時セリ終了、後片付け、掃除。本日落札分、12200円払う。1時前に終了したが、今日はこれで帰れず、事業部員7人と理事長除いた理事3人で9月に開催される大市のための会議。幕の内弁当が当たる。「その人に開札係やらせたら駄目だよ。あちこち動き回って、結局自分の入札したのや、興味あるのしかやってないんだから」などという議論があり、会議、予想以上に長くなり2時半まで続く。9月大市の会場予約書を正式に神社に提出。恊治君にクルマで送ってもらう。

 3時帰宅。一旦外出、郵便局往復。今日の落札品を部屋に入れるのに30分を要す。15時現在、晴、29・1℃。

 7時、シャワー。8時、テレビでサッカー観戦。トリニダード・トバコ0×日本2を後半から。三都主のあげた前半2点を守り切った。後半最後ロスタイム4分のところでオシム監督が、もう見るべきものがない、というふうにベンチを後にする姿が映り、そこまで唯我独尊か、と思ったが、さにあらずのトイレ行だった。9時、「羅生門」という警察もの(?)ドラマ。伊東四朗の署長が警察署の中でおでん屋をやっているという赤塚不二夫の漫画みたいな荒唐無稽な設定。11時就寝。2時目覚め。3時半、カレーライス、水。本少々。朝8時半就寝。断酒。