須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

♪お暇な〜ら来てよね

 午後3時半起床。15時現在、晴、1・1℃。今日日中最高気温2℃。零下の極寒の日々を実にしばらくぶりに脱したというのに寒い。それはまだ二月も半ばであるから当然なのであるが、椅子に座ってPC覗いたり、飯を食ったりしているその足元が昨日一昨日のように足の指がかじかむほど冷え冷えとして往生したり、また、キーボードをいじるのに頻繁に手と手を摺り合わせたりしなくてもキイが打てるというだけでも随分とましであることだ。

 トースト2、ミニ白あんパン2、紅茶、カフェオレ、冷水にて第一食。冊子一ヶ梱包発送。

 郵便物を見に行ったらポストにヘンな小包が入っており、部屋へ戻って開けてみるとその物体はチョコレートの格納されたケースであった。昨年の今頃、これまでの生涯に一度きり、その数週間前の正月にしか行った覚えのないススキノのスナック<K>のマユミさんという女性からチョコレートが送られて来て、妻と二人有り難く美味しく戴いたものなのであるが、今日の送り主もそのマユミさんなのであった。中にレターやメモの類いが何も入っていないので、如何なる意図で送られて来しものなのかが謎なのであるが、この自分を恋しく思って淋しさ募り涙に明け暮れていると云う訳では残念ながらないだろうから、これはやはり「♪お暇な〜ら来てよね」という営業的のサインと捉えるべきなのだろう。が、一年前に一度しか顔を見せていないお客に自前でチョコを送ってくるとは、仕事熱心かつマメな人である。将来は偉大なるススキノのママになるやもしれぬ。ところでその<K>という店、落ち着けると云えば実に心地よく落ち着ける店であった。なにしろ従業員の女性が一人マユミさん以外は年増というか、姥ざかりの森に棲んでいらっしゃる方々ばかりで、若い男性客がまったく来ておらず、従ってウルサくなく、こちらが堂々と高歌放吟ウルサく騒げたのだから。本来、いやあ、元気だった?と顔を見せるべきところなのだろうが、恥ずかしながら昨年のただの一回こっきりも、古本のお客様T畑さんに御馳走になってハシゴの三件目に連れて行かれたのであって、つまり家で飲む酒にも事欠く身としては、お礼を述べに伺うこともままならぬのである。

 6時半、PCに向かって、さあ古本のお仕事をしようかなあ、と取り掛かろうとしたところへ、先週金曜日に受注のあった本の入金を済ませたというメール連絡あり荷造りに励む。たった二つに3時間半を要す。さぼりながらやっていた訳ではないのに手間がかかってしまう。不思議なり。異常だと妻は云う。うち、絵本を買って戴いた東京のお客さんは須雅屋日記の読者である由。ありがたいことである。

 さあ入力だ、と始めようとしたところへ、ネット出品している本にFAXで注文あり、また梱包。以前からよく知っているお客さん。「野火はるか 流域へ」(李恢成文芸講演会その後の会編)。
 11時半、鰻丼、とうふハンバーグ、わかめみそ汁、麦茶、チョコレート二粒(二ピース?)、紅茶にて第二食。

 ラジオでテレビのトリノ・オリンピック、スケート500M中継を聞きながら入力。及川が4位、世界記録保持者の加藤は6位。4年に一度の大会でプレッシャーの中、メダルを取るムズカシさというのは素人の想像の及ばぬところなのだろう。及川君は札幌近辺ではよく知られたハンバーグレストラン・チェーン<びっくりドンキー>所属の由。冬のスポーツ選手を擁する企業と云えば、昔はツブレた拓銀とかナントカ製紙とかナントカ組などの名前がすぐさま思い浮かんだものだが、時代が変ればスポンサーの企業も様変わりするという訳だ。「浅草キッド」の玉袋筋太郎にちょっと似ていると云われる堀井学氏の解説+応援がとても良かった。3時、<楽天>へ10点UP。
 その後日記書き。ネットのニュースに因ると11日から12日にかけて米東海岸に記録的大雪の由。NYでは1869年の観測開始以来、最大の積雪とか。これもおそらく地球温暖化の結果なのではないか。と日本の北海道の片隅に生きる貧しい古本屋は考えるのだよ、ブッシュ君。9時半就寝。断酒。