須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

笠地蔵がやって来た

 3時起床。妻はすでに起きてネットを見ていた。1時に自分が合わせていた目覚ましに因って強制的に起こされたそうな。ブザーを止めて自分はまた熟睡していたのであるが。15時現在、晴、−2℃。<日本>A本屋委託分より受注一件。ハヤカワ・ポケミス一冊。

 明るいカラフルな包装紙の小包が届く。女性からかな、マズい、女房には隠そう、と思い当たるフシもないのに一瞬動揺を覚えたのであるが、送り元を見ると先日面識を得た杉村悦郎さんからで、中からは杉村さん著「新選組 永倉新八外伝」(2003年 新人物往来社)が出て来た。妻に秘密を持たずに済んだことにはホッと安堵し、また幾分拍子抜けもしたのであるが、思えばたった一度共にした酒席でガハハハハッ!と馬鹿笑いしていただけの自分なんぞに実に有り難いことである。律儀な人である。妻曰く。新撰組といったって名前知られてない末端の人とかたくさんいるんだから、永倉新八の曾孫さんというのはそれだけでも凄いわよ。しかも史料を博捜し、近親者のみに伝わるエピソードを紹介して、あまり知られていなかった明治以後の新八像を本の形に残したのであるから。

 5時半、うどん、ナットウ、ミニあんパン2、バナナ1、冷水、カフェオレ、紅茶にて第一食。うどんを啜っていたところにチャイム。今しがた電話したばかりの郵便局の集荷か、やけに早いな、と訝りつつ玄関ドア開けてみれば、ひょろ長い箱を抱えた女性が立っていた。あ、一度会った人、とすぐに思い出したその方は、忘れもしない(当たり前だって!)昨年12月にご注文書を取りに来られた時にビール券と林檎を下さったお客さん。日記に見られる我が家の暖房環境を哀れんで、いづれパチンコに買ったら笠地蔵が届けに参ります、とメールを下さっていたそのハロゲン・ヒーターを、当方は宛にしていなかったのにそしてもう忘れかけていたのに、本日今日わざわざ持って来て下さったのだ。たった一度5分ほど会った貧乏古本屋のために。いやぁ、世の中、捨てたもんじゃないわい。食後、早速試運転してみたのだが、以前から家にあった電気ストーブとは比べものにならない程強力である。これで春を迎えられるだろう(と思う)。

 9時半から12時、趣味であるところの詩らしきものを書く。FAXで某誌へ投稿。12時半、まぐろぶつ切り、揚げたこ焼き、カボチャとポテトのコロッケ、ニシン漬け、水菜のみそ汁でウィスキーお湯割り2杯を日曜日の次の次の日であるから、という理由で飲み、イカ塩辛で米飯。3時から5時、ネット徘徊。寝床読書少し、6時就寝。