須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

霊園前まで

 午後5時起床。15時現在、雨、3・6℃、北の風4m/s、湿度71%。

 第一食、うどん、アンパン、カフェ・オ・レ。

 <楽天>より受注一件。長谷川博隆「古代ローマの若者」(三省堂)。6月に市場で買った函館T・Kさんの口。水シミあるので500円。とほほ。7時から10時、ネットを見て時間が過ぎ去る。10時から日記書き。
 昼の東京国際女子マラソン高橋尚子が復活優勝していたのをニュースで知る。十数年前、東京の目録販売専門の或る古本屋さんのご自宅へ何度か遊びに行ったことがあるのであるが、行く度に(大概日曜日であった)テレビでのマラソン実況中継にチャンネルが合わされていた。その方のカタログに連載されている日録を読んでも、野球やサッカーなどには一言も触れられていないが、マラソンや駅伝のある日には必ずテレビ中継を見ているのを知っていたので、こんな血の出るような苦しいハードなトレーニングに耐えた果てに、ようようスタートラインに立ち、さんざん走って、みんなに置いて行かれて、くたくたにツカレて、汗を絞り尽くして、噛み終えたチューイン・ガムみたいになった揚げ句、ゴールに辿り着いてみれば、完走に時間がかかり過ぎたため、もう観客も関係者も誰も待っておらず、誰からも賞讃されず、犬からもねぎらいの言葉をかけられもせず、鴉にもバカにされて、ポカリスエットを飲みながら夕暮れの道をとぼとぼ一人帰路に着くハメとはなり、苦労して完走した分の時間とエネルギーがすべて丸損になるやもしれぬマラソンという地味なスポーツにも、かような奇特なファンがいるのであるなあ、と発見して感動した覚えがあるのである。ところで、かく云う自分も実はマラソン中継がテレビで始まれば最後まで見てしまうタイプの人間なのであるけれど。

 プラスチックごみを捨てに戸外へ出ると路面凍結。昨日のみぞれが夜半から雪となって降り積もった分が凍って、歩道車道のそこいらへんに残っている。帰宅した妻が云うには表通りは雪が溶けて跡形もなくスムーズに歩けるのに、この霊園の界隈のみに雪が残っており、大変に歩きづらい由。呪われた土地、という言葉が脳裏に浮かぶ。ちなみにこの辺りの最寄り地下鉄駅は「南平岸」駅であるが、かつては(1971年の開設時から1994年までは)「霊園前」という名称であったのである。昔は飲んだ後タクシーに乗り込み、声低く、暗色のトーンで「霊園前まで」と絞り出すように告げると運転手の肩がぴくりと動いたものである。

 <楽天>へ11点入力UP。3時半から第二食。鯵のタタキ、ホッケ飯鮨、揚げ豆腐で日本酒一合ちょい、日本製キムチでご飯。番茶。5時からネット散策。横になってから腹筋10回。6時就寝。