須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

深夜のメキシカンロック

 2時半起床。紅茶。15時現在、晴れ、16・5℃、南南東の風5m/s、湿度57%。

 4時前、郵便局で「ぱ・る・る」から5090円、振替口座から8930円をおろし、<農協>で8月分家賃後半3万5千円を振り込む。向かいの<セブン・イレブン>にてJNBから5千円をおろし、ガス代8月分3586円払い、『週刊新潮』立ち読み。「小泉首相の冷酷に小池百合子は凍った」(タイトルはうろ覚え)、連載鈴木宗男の外務省告発他を愉しんだ後<Maxvalu>で買物(納豆100円、うどん100円)。

 それから、暗くなりつつある道を区民センターまで15分ほど歩き、本を返却。沢木耕太郎「無名」。一応、作者(沢木)のよき理解者であった実父の死と生を描いたノンフィクションなのだろうが、小林多喜二が虐殺された日の夜の出来事に、こんなことがあるかしらん、ありえねぇ〜、というエピソードがあり、がために、この本全体が小説のように、それも私小説的記録というよりフィクションとしての小説のように思えてくる。もともと小説的な(小説のように読める、小説のように作られたように見える)ノンフィクションというのが、この人の作品の特徴なのかもしれないが。残念ながらすでに貸し出し時間過ぎていたため他の本は見られず。

 区民センター1階で催し物や、区民講座、サークルなどのパンフレットやチラシが置いてあるコーナーがあり、H・F講演会というのが目に入った。H・Fというのは十数年前に開局した地元FMラジオのDJをやっている男だが、数年前より夕方からの地元テレビ番組のパーソナリティーにも抜擢され、今や若者のみならず奥様たちの人気者にもなっている。昔、すすきのの路上ですれ違ったことがあるが、長身、サングラス、毛皮のコートを着て大股に歩く姿には、いかにも他人の視線を意識している地方の有名人という様子が伺え、DJでの語りの内容からしても、田舎の気取った軽薄あんちゃんという印象しか受けなかったのであるが、そのあんちゃんが今や「教育について」「子供たちの未来について」講演をする、ちょっとした名士にまでなっているらしい。音楽ならまだしも、教育問題にまで精通していたのか、この人。世の中分からんもんだ、とつい数日前の感慨がまた浮かぶのを禁じ得ない。

 5時15分帰宅。うどん、トースト、ドーナツを食し、紅茶を喫す。ニュース。プロ野球オーナー会議が札幌で開催。楽天問題が論議の中心であったとか。

8時から唐沢俊一氏がパーソナリティー担当のTBSラジオ「ブジオ!(ブログとラジオを併せた造語)」を聞く。今日のゲストは「と学会」の皆神龍太郎さん。自分も三度ばかりお会いしたことがあるが、初対面の時は、風貌に貫禄があり、一歳年下の人物には到底見えなかった。が、話始めると、話し振りに愛嬌があるというか剽軽というか、少しも威圧感がなく、笑顔のきれいな人で、思わずほっとして自分も和んでしまったのである。本来は超常現象のウソホントを語り出すと朝まで止らない人なのであるが、今回は一般聴衆を慮ってか、それほど濃イィ〜話にはならなかった。

 深夜1時、ソイの煮付け、ブタ肉とキャベツを蒸したもの、モヤシサラダ、米飯、ミソ汁、番茶、板チョコモナカ半ヶ。

 ラジオを聴きながら日記二日分を書く。2時台はシャンソンジルベール・ベコー特集、3時台、橋幸夫山口百恵特集。なんか今イチ分からぬ取り合わせである。でも「恋のメキシカンロック」「恋をするなら」が聴けたのは良かった。6時から酒一合。8時半就寝。