須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

金は稼がず、ハイ、ハイ、と答える

 午後4時半起床。蒸し暑し。晴。3時現在で27・1℃、湿度53%、北北西の風4m/s。昨年に続いての残暑のキビシさ。地球温暖化の影響がブラキストン線をかるーく超えて蝦夷地をも蝕ばみつつあり、カラッと爽やかな北海道の夏が失われつつある。生まれ育った町には何の思い入れもないが、北海道には愛着があるので(といっても、極々一部の土地しか知らないが)真に憂うべき事態である。みんなブッシュが悪いんや!と取りあえず誰か権力者のせいにしよう。

 トリさんたちのカゴに覆いとしてかけてある布をとる。今日の午前3時くらいに覆いをかけたのだから、約13時間も寝かせたままであった計算になる。「ここは何処?アタシは誰?」みたいな表情を浮かべている。寝過ぎて頭が惚けていなければいいのであるが。窓から見えるバルコニーの手摺に蜻蛉が留っている。トリ水を取り替え、カゴから出て来た老インコにエサを与えるなど、トリの世話に30分以上を消費する。

 トースト、アンパン、牛乳、カフェ・オ・レ、紅茶、冷水で第一食。途中、元◯◯大学の△△先生から電話あり。7月に大通のRプラザで開催された古本市で久しぶりにお会いしたのだが、その折、よかったら自宅へ一度本を見に来てくれ、とのご依頼があった。差し上げてもいい本もあるから、ともおっしゃったので、それならと考えていたのだが、何せ金と在庫を置くスペースがないので積極的に動く気にはなれなかった。来週あたり見学に行くことに決めて、そうお答えしておく。ただし今日の電話では、現在のお住まいに入ってからは、誰も古本屋が入っていない手付かずの状態であると強調されていたが、先日お会いした折に聞いたところでは、すでに◎◎堂が一度訪問して買っている由で、それならオイシいところを全部持ち去っているに違いなく、市場に出品してどうにかなるような品はもう残っていないと推測できたから、尚更気が乗らなかったのであるが、先生のお話のこの変化は何を意味するのだろうか。

 8時半から詩のごときものをワープロで書く。また金にならないことに時間と労力を費やす。今日が締め切りのこれをやるために、自分にしては比較的短時間睡眠で済ませたのである。当初の計画から二度書くモノを変更して、実際にキーを打ち始めたのは一時間以上たってから。10時に岩内の妻から電話あり。トリさんたちの安否の他に、古本の入力は進んでいるか?日記は書いているか?と進捗状況を訊かれ、今、詩ぃ書いてるところ、とは云わず、ハイ、ハイ、と答えておく。11時半、一応の完成、印刷。四百字三枚と一行。12時5分前にFAXにて某雑誌投稿コーナーへ送付。さすがに本日はもう駄目かも。と覚悟して取りかかったのだけれども、以前書いてあったメモを道しるべにどうにか恰好をつけ、投稿期限に間に合った。よくぞでっち上げられたものだ、とヘンに感心かつ安心。総じて少しばかり長すぎるのと、ヒネクレているのと、面白くしようとしてアザトくなり、その分ポエジーからは遠くなっているというのが、毎度おなじみの(自分自身に対して)猫叉木鯖夫の詩らしものの特徴である。と、一丁前の自己分析らしきものしてみる。だが今日のところは、多少見どころが無くも無く見えたりするモノも、なーに、数日たってみると、たいがい読めたシロモノではなくなっているのだ。

 10時過ぎあたりから涼しいを通り越して肌寒いほどの風が入って来、トリカゴ真後ろの窓は閉める。昼夜の寒暖の差が激しくなりつつある。

 1時、シャワー後、第二食。即席麺卵入り大山昇太風、トースト、妻が作り置きしていったトリ肉とキャベツの蒸したモノ、コーヒー、冷水。3時半から日記を書こうとするが、頭が朦朧としてきつつあるので、人様のブログ覗き歩き、5時過ぎ就寝。家に酒類があるのに何故か断酒する。実は単に飲み時を逸したというだけの話。昨夜、中日7連勝で阪神との差が0・5ゲームに。