須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

ツツイストからのメール

 正午頃一度起きたが、結局夕方4時起床。晴。6時で22・5℃、湿度81%、西の風1m/s。 
 即席麺にて第一食。

 <楽天>出品のアン・アトリー「妖精のスカーフ」という児童本へ質問メール。画像を見せてくれろ、と、目次タイトル教えろ、というもの。デジカメ所有しておらんので、画像送付は不可能。ブツは、冷蔵庫よりも高く積み上げられた山の最も下にあり、面倒くさいの、くさくないの。この煩わしさは客には何の関わりもなきことなれど、無記名メールであるのをいいことに気軽に訊いてくるが、こういう人って、たいてい買わないので、空しさだけが残るのである。ちなみにこの本は妻の蔵書なり。そして本を取り出したのも当然妻であって、自分は紅茶など喫しながら、エールを送りつつ見学していたのみ。

 先日、市場で買った句集のうち不要な本を、街へ出る妻に十数冊持っていかせる。「何冊が生きたの」と問う妻に、「んー・・・八冊ぐらいかな」と多めに告げ、「長い古本人生、こういうこともあるって」と付け加えておく。

 ニュースによると駒苫問題は高野連では一応の解決。優勝旗は返還せずともよいことに。「北海道マラソン」は千葉真子が二年連続通算三度目の優勝。

 ラジオで聞くNHK・TV「サンデー・スポーツ」。特集でNOMOベースボール・クラブが取り上げられていた。或る選手、昼間は会社勤務、夜は野球の練習と、毎日睡眠4、5時間でやっている由。よくぶっ倒れないもんだと感心す。明日から自分も少しでも真人間に近づこう、と思ったことである。
 12時過ぎ、妻帰宅。中にエンデ「はてしない物語」(妻の本)も一冊入れておいたとはいえ、句集1950円になったという。歌集、句集は、内容は貧しい本でも、装丁は立派で定価も値が張るのが多いもんね。よかった、これで約半分は回収できた。千円貰う。

 1時シャワー。できるだけ早くと頑張り、今日は40分で済ませられた。

 第二食を摂っているところに元Sタイムス記者・現在プーターローの小笠原君からメール。タイトルは「お宝じまん」。開いてみると、

《昨夜、明治神宮前の中華屋さんで筒井康隆氏と飲み、ツーショットを撮らせて貰いました。筒井さんの眼がとろんとしてますが、かなり酔っぱらってます。なんか、こういうことがあるなら、別に無職でもいいなあと、本気で思いました。で、「ついで」みたいで恐縮ですが、ネットがやっと繋がりました。今後ともよろしくお願い致します。》

という文面に画像が添付されており、何処かの飲食店前で、扇子片手に着物姿の筒井康隆氏と、いかにも幸福そうな笑顔の小笠原君が肩を組んで並んでいる。顔がすっかりバラ色に染まった筒井氏、シャキッとレンズを見つめようとしながらも、かなり聞こし召されていらっしゃるのが見た目にも分かる表情。小笠原君、中学生だか、小学生から筒井氏にファン・レターを送っていた根っからのツツイスト。そして彼にとって、いま一人の神が手塚治虫であった、と先日飲んだ時に聞いたばかり。そのあこがれの人に一夜、酒を振る舞われ、記念写真まで。よかったな、と思う。

 5時、<楽天>へ詩集と句集20点、島久平、宇野鴻一郎各一点、計22点UPし、その後は日記。

 10時、素晴らしい快晴の中、郵便局へ行き、振替妻口座から18940円をおろし、<セイコーマート>へ廻り、電気代6月分5758円を支払う。『週刊新潮』を立読み。コラム記事に目が止る。神田で洋書の北澤書店の一階に危うく、<ブ>がテナントとして入るところであった由。<Amazon >などの影響で洋書の新刊輸入はウマ味がなくなり、店頭での売上も不振なのだそうだ。元おフランス大統領のミッテランも来日時に来店、「トレ・ビアン! セ・マニフィック!」と口にしたかどうかは知らねども、とにかく賞讃したと伝えられるあの北澤書店さんがである。世の中分からんもんだ。経済アナリストとかの連中はきっと、十年前から予測できた当然の展開ですよ、などとしたり顔でヌカしやがるにちがいないが。

 11時帰宅。発泡酒一本飲み、正午過ぎ就寝。