須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

水曜 四月交換会

 8時半目覚め。9時半起床。ミニ酒マン2ヶ、牛乳、カフェオレ、冷水。地下鉄で大通。11時10分前頓宮神社着。

 札幌古書組合月例交換会。先月の金券7460円と組合費残6千円を支払う。祝!組合費完納!これで今年も組合員、来期も市場に出入りできる。亜本屋さんに借りてた野平健一『矢来町半世紀』返却。

 荷物は英学関係、洋書、澁澤・種村・塚本・寺山や、国書のバベルの図書館や幻想文学大系など。幻想文学関係の出品何山かは、この元の持ち主ずいぶん買っていたなあ、と感心する口。今、この本も、この本も文庫になっているんだ、と目をぱちくり。新刊本屋にほとんど行かぬので浦島太郎だ。こんなに読んだら幸福な人生だなと思う。ほんとに読んだかどうかは分からぬが。最終台には北海道の地図などの一口もの。これはまずまずの値段だったのではないか。だが、今日は最終台除いて全般に安め、入れたもん勝ちのセリであったが、ウチは何も入札せず、何も買わず。こんな値段で落ちるならと後悔しても後の祭。

 旭川BBB村田jr.と立ち話。かつて旭川で営業、現在は東京で店をやってる石狩書房さんの話など。じゃんくさんから唐沢夫人が送ってくれた米5kgを貰う。これで二週間は生存できる。でもセリ場で本ではなく米の受け渡しする僕たちっていったい何?

 じゃんくさんの好意で薫風と南平岸まで送ってもらえることに。ドライブ日和のいい天気なり。薫風書林氏、新調らしきバッグを持っている。大きくてたくさん本が入り使い勝手もよさそう。せどりバッグか。途中、北海学園近くの豊饒古本店さんに寄る。外は看板もなくなっていて、入ってみると棚は面差しでスカスカ、見知らぬ男性が二人して店番。お一人はスーツまでご着用。ご主人がいないのでじゃんくさんが訊いてみると豊饒さんは1月に亡くなっていた由で、つまり代替わりしていたのだ。じゃんくさんショックを受けていた。

 車中、業界の噂。東京の某店が某件で拘置所に滞在されている話。ありそうな出来事ではあるがちょっとオドロキ。何処もけっこうキビシイのだなあと思う。それとも金儲けに走って心を制御できなくなっていたのだろうか。

 もうひとつ、古書組合の理事を自分が頼まれるかもしれないという情報。寝耳に水割り(たしか、戸板康二作)。申し訳ないが、自分では役不足なのでもしも話が来たら断ろうと思う。そう大袈裟に考えずともと思われるかもしれぬが、とにかく今日など残った手持ちが1260円だ。こんな、アチチッ!の尻が炎上状態ではとても大役を引き受けられる状況ではない。古本仕事もいまひとつの案件も今年来年で集中して煮つめていかないと道は拓けないだろう。さもなければ将来はない。って、どちらにせよ、ないだろうけどさあ、あんたなんか野垂れ死にすればいいんだ、とかつてある人にズドンと撃ち込まれた野垂れ死にという言葉が現実味を帯びて来るわけで、たとえ幸運にも窮死せずともこのまま老いて死んでいっては十全に生きたとは云い難いわけで、つまるところ人生ナンだったのか分からなくなるわけで。依頼を嫌われないように如何に断るべきかを考えるとユーウツになってくる。だが嫌われても辞退しようと誓う。

 最近豊になりつつあるという噂も一部にある薫風宅廻ってわがMSへ。駐車場で車内に座ったまま、愉快でちょっと変わった住人たちとわが家の悲惨について、じゃんくさんに説明する。まあ、昼間からそこいらをウロチョロしている自分もどう思われているか分かりませんがね、と付け加えるのを忘れはしなかったけれど。

 1時半帰宅。12時現在、晴、22・8℃(最低7・7、最高23・2)、湿度23%。日記。これで六日連続20℃以上。4月に六日連続は史上初の由。うどん、ナットウ、冷水、トースト1、紅茶、チョコレート。

 受注、スタインベック『月は沈みぬ』文庫。円地文子『食卓のない家』。昨日の『インターメディアの詩学』はキャンセルメール来る。お客さん、解説欄の線引きありの注意書きに目を通していなかったらしい。

 7時から仮眠。のつもりが本眠に。断酒。午前零時半まで眠り続ける。