須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

木曜 古いハガキ

 正午目覚め。13時起床。12時現在、晴、19・0℃(最高気温19・2℃)、湿度59%。平岸界隈は13時現在、雲に覆われている。トースト2、ミニ餡パン1、牛乳、カフェオレ、紅茶、冷水にて第一食。受注1江間章子「 <夏の思い出>その想いのゆくへ」。

 17時半頃、巨匠◯◯◯書店さんから電話。薫風書林の店が最近開いていないとお客さんから云われて何度か店に出かけてみたが確かにいつもシャッターが降りている、身体を壊したか売上に絶望して家で臥せっているのではと思い自宅へ電話してみたが誰も出ない、と云う訳で連絡がつかないのですが、スガさん、あなた何か知りませんか、と訊かれる。あの男また行方不明になったのか、とちょっとだけに胸騒ぎを覚え、かつ大いに呆れながら本人と萌黄さんにメールなど送信し、それにしても親身に心配してくれる人がいて幸福な男であることよのぉ〜と羨みながら小一時間ぐらいしてヤツの店に一応電話したらば「薫風書林です〜」と本人が出た。なんだ、元気そうではないか。声も力があり絶望の海でもがいているというふうには聞こえない。
 入力。たいそう涼しく昨夜も今日も靴下履いてマフラー巻いて机に向かう自分。19時半ラジオで「クローズアップ現代」で携帯小説事情。トースト2、蒸かし芋3片、紅茶。20時からテレビ鑑賞。21時半からまた入力。1時、牛バラとジャガシモとネギ炒め、厚揚げ焼、メカブととうふ和え、米飯、紅茶。
 先々月に市場で買ったミステリの口をいじっているうちに、クロフツの文庫「黄金の灰」に7円時代の葉書が挟まっているのを発見。興部(オコッペ)の消印から宛先は札幌市石山の村◯K子さんという方へのモノ。差出人の住所と苗字の記載はなくただY子とのみ。おそらくお母さんであろう。文面には豚の子供が9匹産まれて可愛いですだの、ジャンパーを送りましたなどと、表の下四分の一まで使ってびっしり書かれている。ほとんどの本の奥付にあるK・mura.....という記名と葉書の受取人が同一人物であると見なされることから、この外国ミステリの蔵書の主は女性だったのが分かった。意外だったがどうりで本がキレイな訳だと納得。ほとんどが英国ものの本格ミステリでカーやクロフツも多い。クロフツを熱心に読む若い(当時)女性というのも自分的には想像外であるが、自分より10歳は年上かと思われるこの方、どうして好きなミステリを手放したのか。移転かそれとも他界されたのか。ミャンマー取材中の日本人ジャーナリストが流れ弾(?)に当たって死亡の報。午前5時過ぎ就寝。断酒。