須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

月曜 古本市店番3

 8時半起床。うどん、ナットウ、冷水、カフェオレ。
 9時半出。地下鉄でススキノ、10時前<Rプラザ>着。<PAGE1>の佐藤さんと古本市店番。一週間前ぐらい前から客足が落ちたようだが確かにヒマ。14時、社員食堂で持参おにぎりと番茶、冷水。毎日新聞社社長だったらしい平岡敏男という人の本(タイトル失念『わが炎の時』とか大仰なモノだった)流し読み。旭川での中学時代に小熊秀雄と交流があり、弘前の高校では太宰治と同級生だった人。18時45分から19時15分まで休憩室で仮眠。休憩時間を15分オーバーし慌てて戻る。整理に来場した亜本屋さんからバイト代5千円貰う。2、3年前に同じここの古本市店番中に一読した大下さなえという人の『夢網』という詩集が回を追うごとに800円から500円、300円、200円とだんだん売価が落ちていたのだが、今回また下がっていたのでさすがに買う。内容は日常と夢幻が混流しているような(でもリアリティがある)作風の連作で気になってはいたのだが生活苦でなかなか手が出なかった(200円でも、帰りにワンカップ買おうという考えが頭をかすめて)。他、三井葉子の詩集、『北方文芸』終刊号など計14冊2900円買う。20時終了。
 南平岸<Mazxvalu>で牛乳、ナットウ、うどん2、うどん、計454円。<Lawson >で電気代5月分5231円、ガス代5月分5287円支払い、21時過ぎ帰宅。20時現在、晴、18・0℃、湿度73%、本日最高気温24・5℃。入浴。日本酒、ウィスキー水割り。なんか食ったが忘れた。
 受注1、雑誌『人情』1−2号、風人社、昭和22年刊行。その内容は 木村荘十(桜井悦画)「幻影の誘惑」/井上友一郎(生澤朗画)「踊り子の左の手」/玉川一郎「勝敗物語」/野村胡堂(富永謙太郎画)「娘手踊」/座談会「人情を語る」=吉屋信子内田百間式場隆三郎長田幹彦ほか、表紙:由良艸吉(ちょっと夢二風)。小田実死去、75歳、胃がんベルイマン死去、自宅で老衰死、89歳。カール・ゴッチも28日だかに亡くなっていたらしい。82歳。
『北方文芸』終刊号(350号/1997年3月号)拾い読み。鷲田小彌太「楽しい出会いを書いてみれば」は同誌の編集に関わっていた時期の走り書き的回想。札幌市内、道内あちこちの同人雑誌から会合に招かれ、評を請われ、酒で交流した記述がアトランダムに続くのだが、「ここの作品は、読むに耐えうるものはほとんどなかった。しかし、飲み食いには熱心で・・・」とか、「・・・いつも私が運転手で、近くの安い温泉地を巡った。・・・酒が入ると、小林さんが狂乱状態になり、・・・」(小林さんは女性)とか、「文学以外ではとても気があい、いまでもちょくちょくお呼びがある」とか、「じつに気持ちのいい、「淑女然」とした例会に、喜んで何度も小樽に出張った。ただし、作品は生まれなかった」など、北海道版『大いなる助走』を思わせる風景が垣間見えて笑えた。3時過ぎ就寝。