須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

土曜 祝!開業!なちぐろクン!

 午前9時起床。牛乳、紅茶、冷水。9時現在、くもり、5・8℃、湿度66%、予想最高気温8℃。ストーブ点けて日記書き。
 12時現在、雨、5・1℃、湿度79%。食パン1、豆パン1、ミニあんパン1、チョコレート、紅茶。梱包前の日野啓三夢の島講談社文芸文庫を40頁まで読む。
 3時、5回裏からアジアシリーズチャイナスターズ1−日ハム6。小笠原を休ませ、稲葉を途中から下げての余裕の戦いであったが、勝利を確信し過ぎて、6、7回の攻撃は雑というか淡白となり、得点が台湾や韓国チームが中国戦で挙げた程には伸びなかった。
 5時、うどん、ナットウ、米飯、麦茶、六花亭シュークリームにて第二食。ずっと冷たい雨。日本の札幌は平岸の陋屋に住む自分には一銭も入らぬというのに、松坂への入札予想情報をネットで追って時間を無駄にする。伝えられる記事が事実に近いとすれば、赤い靴下団のヤンキー軍への敵愾心というのは想像を上回る凄まじさだ。だが、その両チームの間を選手が行ったり来たりしているのだから(赤からヤに移ったデーモンなど)、しょせんはビジネスライクな世界でもある。
 8時、R平岸さんからメール(引用許可取得済み)。琴似の進藤さんの店の番頭大西君が<なちぐろ堂>としていよいよ独立。大西夫人が「(略)このような悪天候のなか、開店のごあいさつにいらっしゃいました。黒ネコちゃんのイラストが描かれた名刺と黒あめ[那智黒]をお持ちいただき、かえって恐縮です。あいさつのため、組合の各店をまわられて(略)」いる由で「(略)『須雅屋さんは、ご自宅みたいですけど、行った方がいいですかねぇ』といういつもの、優しげな関西弁でたずねられた(略)」が「(略)家の中に入れないかもしれないので(略)セリなどであいさつするということで、大丈夫でしょう。そのようなことを根に持つ人ではない(略)」とアドバイスしておいたそうな。たしかにそのような件で根に持つタイプではないが、もっとミクロなことで根に持つ場合もある人間なのですよ、この男は。

 それにしても黒飴とは盲点であった。我ながら無知であった。うかつであった。マヌケであった。大西君が7月の<Rプラザ・半畳古本市>で<なちぐろ堂>なる風変わりな名前で出店しているのを見て、以前から、スポーツ刈りというか坊主頭にしている外見からの印象もあり、ナチス好きな人なのかな、そいでもってオマケにグロいもの、鬼畜系とかが好みなのかな?顔はやさしそうな奴なのに、人は見かけで判断できんなあ、と自分は内的独白をし、趣味が嵩じて秘かにネオ・ナチ日本結社(?)などに入って深みに嵌り、ある日、セリ場で、「ハイル!」と手を挙げて、「今こそ千年王国実現の時は来た!古本屋の同志諸君!」などとマイク片手に演説でも始めなければいいが、とちょっとばかり心配していたのであるが、黒飴の[那智黒]からの由緒正しき名前であったとは知らなんだ、そして同時に安心もしたのである。そうだ、中上健次の自慢だったという那智の瀧!あの可憐な大西夫人(これは自分だけの感想ではない筈)のご実家は和歌山にあると聞いていたのに連想が働かなかった。しかしこれ、一度耳にしたら忘れられぬインパクトのある店名ではなかろうか。祝!開業!なちぐろ堂さん!オレが教える、君が儲けろ!とはとても云えないけれど、これからの札幌古書業界の発展は君たちの世代にかかっている。ところで店舗はあるのだろうか?

 9時「ウォーカーズ〜迷子の大人たち」、10時ETV特集「よみがえる松田優作」。

 零時半、鰻西京焼、卵焼き、ホッケ干物、菜の花のおしたし、米飯、ワカメみそ汁、麦茶、チョコレート。明日の日ハムの相手は意外や台湾のラニュー・ベアーズに。なんか日本球界のネーミングよりも笑ってしまう。韓国のサムスンは中国戦の一勝のみで終わった。ソン・ドンヨルは相当なショックに違いない。日がかわって風強し。入力。断酒。3時半就床。