須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

月曜 今後もヨロシクね

 9時15分起床。王様の「私の名盤コレクション」第1回再放送を聴く。この回はディープ・パープル「Machine Head」。王様の扮装でイアン・ギランにインタビューしたことがある由。

 二度寝して2時起床。15時現在、雨、7・2℃。小雨の中、郵便局へ行き、振替妻口座から5380円おろして即帰宅。うどん、ナットウ、冷水、トースト1枚、ミニクリームパン1ヶ、バナナ1本、チョコ1粒、カフェオレ。
 小笠原君から『北方ジャーナル』5月号恵贈さる。名前のみ知っていたが、こんなに立派な外装の雑誌とは知らなかった。表紙は鈴木翁二。おお、これは、この表紙だけで、将来古書価が付くかもしれないぞ。その表紙に<ストーンズ公演で「タダ券1万枚」をバラ撒いたのは誰?>とドーンとデカく赤い文字。小笠原君がこの記事を書くのにほんの少しばかり自分が取材に協力したのでこの雑誌を送ってくれたという訳である。ストーンズの記事は8ページ(1万字)で、この号のメイン。極めて短期間の取材で、よくこれだけの情報を集め、うまい具合に、そしてなによりオモシロクまとめられるもんだな、と感嘆。人見知りで(こう見えても)、腰も重い自分には逆立ちしてもできない。もっとも元々逆立ちもできないのだが。豊平区自営業Sさん(49)の談話が載っている。「やっぱりプロ中のプロですよ。二時間で20曲。東京でやらなかった「アンジー」なんかも聴けて、大満足です」、こいつ何処のオヤジだ、おい、いい年こいて恥ずかしい、って感じなのであるが、考えてみたらそれは自分が提供したコメントなのであった。こんな歳じゃない、「いや、ユルシテ!」と拒否しても、印刷物に載ると逃れようのない証拠を突きつけられたようで参ってしまうのである。この他にも3本、合計4本もフリーライターの小笠原淳が記事を書いている。まるで小笠原君のための雑誌みたいだ。プータローのオガサワラ君などと自分、これまで日記に記してきたが、こりゃあ、この男の将来は何も心配いらん、と認識するに至った。今日からは自分の心配だけに専念すべし。ほんとに、小笠原淳は有名なライター、ジャーナリストに成ってゆきそうじゃ。これは今後、増々仲良くしてもらおう、とハラにイチモツ。早速、今後もヨロシクね、偉くなってもね、のメールを送信す。

 それにしてもこの『北方ジャーナル』、親しくはなけれど、他にも知人が二人関わっているので何か不思議な気持になる。扉の漫画描いているのはかつて自分がH文字屋で修行中に、同じく店員さんとしてススキノの◯◯堂にいた石川寿彦さんだし、酒を飲んだ翌朝にトマト・ジュースとインスタント・コーヒーしかお出しできなかったけれども、鈴木翁二さんは開店した年に友人Yが連れて来て自宅に泊まっていただいたことがあるのだった。当時、今にも増して商売的頭脳が働かなかった自分はつゆほども思いも及ばないことであったが、数年経って少しは古本屋的な知恵がついてから、あの時色紙を描いて貰えばよかったなあ、あ〜あ、と後悔したものである。

 7時、梱包2ヶの後、床のお掃除。日記。12時台、ラジオ「私の名盤コレクション」はニッポン放送社長の妹さん亀淵由香。トリのツクネ巻き、ヤナギノマイ、コンニャクと油揚の炊き合わせ、清酒1合、みそ汁、麦茶。夜になって、ぐっと冷え込む。6時就寝。