須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

追剥ぎを探して

 午後5時起床。15時現在、晴、3・0℃、北西の風4m/s、湿度40%。

 うどん、ナットー、トースト二枚、カフェ・オ・レ、紅茶。冷水にて第一食。

 <楽天>から受注一件三点。「谷川俊太郎エトセテラ」と「鳩よ!」二冊。珍しく現代詩が好きな人みたいだ。札幌の女性の方。取りに来られると云う。「それは大歓迎、弊店としてはできるだけ早い方が助かります、ただし上がって他の本を見るのはすみませんが物理的に無理です。あと、オツリありませんので、ぴったりでお願いします」というたいへん図々しい意味内容を返信。「鳩よ!」を探して第三書庫(実は兼寝室)の雑誌や本を移動、ついでに何冊かところどころ摘み読みし、時が過ぎる。先ほどのお客さんからメール。明日来られる由。ブラボー!ハラショー!トレ・ビアン!のそれは目出たい尾頭付きだ。明日現金収入があるわいな。

 12時から1時半入浴。ヒンズー50回。上がって第二食。トリ肉のトマト・ソースとハーブのコールド・チキン(妻友人からの頂き物、いつもすみません)、もやし中華ドレッシング和え、豆ご飯、ワカメみそ汁、ミニあんパン一ヶ、暖麦茶。ラジオで94歳で亡くなった三岸節子について語る七十台半ばの澤地久枝さん、語り淀みなく溌剌としている。三岸好太郎、とんでもない浮気者であったらしい。なんて奴だ(うらやましいのぉ〜)。

 昨日の詩を直す。次いで冊子梱包一ヶ作り、「鳩よ!」にグラシン紙かけ。稀に見る不器用野郎の自分であるが、目の廻るほど忙しいとかの余程の事情ない限り、これをやらないと気がすまないのである。

 朝6時15分、谷川鳩のお客さんからメールあり。井伏鱒二「追剥の話」(昭和22年 昭森社 初版 )も見たいとおっしゃる(と昨日のメールに添えられていたのを自分が見逃していたらしい)。午前10時に来られるという。横になろう、そして、くたーっとなって眠りの世界へ入ろう、という準備体勢と精神状態になっていたのであるが、それ金や!それ銭や!とオノレを奮い立たせ、第一書庫に潜って「追剥ぎは何処だ?何処行った〜?」と山狩りをするが如く懐中電灯照らしながら井伏本を探し、ついにget。少しでも寝ろ。と妻が奨めるので8時床に就く。