須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

「日本の群像 古本屋篇」

 夕方5時半起床。18時現在、曇り、2・7℃、南の風1m/s、湿度69%。
 うどん他、いつもの雑駁なものに加えてバナナも食す。「自然王国・高地栽培プレミアム」なる商品名の<おいしさ、まるごと香りが良く、甘くてコクがある《もちもち》した食感が特徴です>というもの。ニュース。石原都知事友人西村真悟衆院議員いよいよ追いつめられる。

 <楽天>でオークション出品が終わって固定価格出品に変更されたものを再びオークションにして出品する、という何か空しさの募る作業をやる。妻は街に蔵書を行商に行った。

 9時からNHKスペシャルをラジオで。「日本の群像(7)職人たちの攻防」。主として東京大田区などの、かつて長きに渡って日本の独占市場であった金型製造業が、仕事を貰っている大手企業工場の中国大陸進出と共にかの地に工場を建設、時は流れて、かつて雇用して、手取り足取り技術指導した中国人従業員たちがある日突然ヘッドハンティングされて大量退職、その転職先である中国人経営金型企業の攻勢に苦しめられているという内容。金型製造は中国国家の支援重点産業の一つにも指定され、中国企業では金型職人学校まで創設して職人を育成している由。中国人には自分たちの製品のような高度なモノを将来も作れる筈がないと何処か見くびっていたことと、もうひとつ、中国人も日本人従業員のように会社に一生忠誠を尽くしてくれるだろうと勝手に予想していたこと、中国人気質を誤解していたことが、後の祭りだけれど、今日の事態を招いているようである。

 昔、弘文荘反町茂雄さんのドキュメンタリー番組がたしか(?)NHKで放映されたけれど、「日本の群像 落日の古本屋」というのを作ったらどうだろう。主人公はクンプウ書林。もちろん古書スガヤも友情出演するのである。或る日、クンプウ書林をスガヤが訪ね、客の来ない店で昼間から二人でカンビールを飲んでいる図。ポテトチップの類いは手に油がついて本が汚れるので、ピーナッツ抜き柿のタネかなんかをツマミにして、プロの古本屋としての配慮とコダワリも見せる。そこへかつてのクンプウの師匠、スガヤの仲人でもあった◯◯書店が「いよぉ〜。元気か〜い」と赤ら顔でサッポロソフト(甲類焼酎)のボトル片手に登場。日本全国の視聴者から、この業界が衰退するのも無理はない、と妙な納得を得ると同時に著しい反感と侮蔑を買い、業界からも村八分にされること必至だろう。

 10時半から日記書き。1時頃から二時半まで入浴。ヒンズー50回。上がって、ハマチ刺身、ヤキトリ、サケのハラス焼、漬物、乾物ものサケチップ、醤油せんべいで日本酒一合半。午前6時就寝。