須雅屋の古本暗黒世界

札幌の古書須雅屋と申します。これは最底辺に淀んでいる或る古本屋が浮遊しつつ流されてゆくモノトーンな日々の記録でございます。

消え去りし街

 午前11時覚醒。12時まで寝床の中で考え事、いつのまにかまた眠ってしまい3時半起床。15時現在、晴、4・3℃、北北西の風4m/s、湿度51%。日中最高気温6℃。

 冊子梱包1ヶ発送。鶏即席麺、トースト2枚、カフェ・オ・レ、紅茶、冷水にて第一食。

 ◯◯さんからメール。先日のK書院に続いて、琴似の△△さんの店も閉店の報。お客さんの話ではもう移転済み、「ネット中心にやって行きます」とシャッターに貼紙がしてあった由。琴似。建て替えで街の風景もすっかり変ったが、そこは、かつてH文字屋で店員として働いた自分が店の裏に住んで、何年かを過ごした様々な恥ずかしい思い出の染み付いている街であり、札幌では一時北大前に次ぐ件数を数える古本屋ストリートであった界隈なのであるが、ついにこれで半額店とブックオフのみとなった。

(と、こんな風に書いて一人ノスタルジーに浸っていたところが、ある親切な同業者さんからメールあり、Sさんに直接確かめたところ、支店の方を閉め、現在その荷物の整理のため店を休んでいるが、片がつき次第、琴似店は再開、これからも営業続行されるとのことです。△△さん、勝手に閉店させてしまってご免なさい。いやぁ、ちょっと閉めてるとこれですからね。恐ろしい業界ですわ。それにしてもお客さんの情報って、こういうパターンがままある。それはとにかく、まことに申し訳ございませんでした。早とちりした自分が悪いのです。11月28日記)

 新刊屋さんでは地下鉄駅真上にあった紀伊国屋も何年か前に撤退している。ここの店長であったノセさんとH文字屋店主のUさんとはウマが合い、店員時代には自分も何度か酒をご相伴し、また『現代詩手帖』と『ユリイカ』を定期購読すると頼んだ訳でもないのに毎月少し値引きしてくれたのを覚えている。その後、札幌市内の他の支店にしばらくいた後、本州へ戻られたと聞いたが今はどうされていることか。街も人も消えて記憶の中にただ残るのみ。

 8時より<楽天>から<日本>への移動作業。途中カフェ・オ・レ。午前1時半、即席でない肉入りラーメン、イカ焼き、目玉焼き、米飯で第二食。5時、<日本>へ50点UP。6時、<楽天>へ5点UP。冊子梱包また1ヶ。先ほど寝かせた鳥が6時40分頃、覆いを被せた籠の中でバタバタと騒ぎ出し、何だ?どうした?と思うやいなや、ぐらぐらと揺れ出した。「本を押さえろ!」と妻に命じ(家長のごとくエラそうに)、二人して机上に積んである本と傍の本棚を押さえ、その他の本はなすがままに任せる。或いは自分で踏ん張ってもらう。数秒で終わり、ホッとする。震度2ぐらいか。

 8時横になり清水哲男詩集「夕陽に赤い帆」をぱらぱらと読み、9時就寝。断酒。